M42(オリオン座大星雲)近赤外での撮影

M 42 上(可視光)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, フィルターなし, Nikon Z5(ノーマル), ISO6400, 60s x 15=15分+5s x 10加算平均, TS-EM400, Temma-M, ステラショットII, 2024/02/09, +- -℃, 東御市・観測所, 視野角: 83′ x 55′  ↑N、

M 42 下(近赤外)
タカハシFSQ85ED(450mm f5.3), 800 nm pass フィルター, URANUS-C Pro, ゲイン500, オフセット 100,  冷却温度-10度, 60s x 15=15分+5s x 10加算平均, TS-EM400, Temma-M, ステラショットII, 2024/02/09, +- -℃, 東御市・観測所

引き続き、新機材Nikon Z5とURANUS-C Proの撮像試験をやってます。自作改造近赤外カメラでの撮像を熱心にされているichimarronさんのページ「やっぱりM42星雲だ!」を見て、私も「やっぱりM42ですよね」ということでM42を撮像。

ESO VISTA望遠鏡の近赤外画像とは比べようもありませんが、ほぼIバンドのURANUS-Cで撮像すると、星雲や塵に隠れていたM42の中の微光星が見えてきます。Kバンドまで伸ばせると、M43周辺に多い若い恒星に伴うジェットも見えてくるんでしょうが、この機材ではそこまで感度は伸びていません、残念。しかし1300nm付近まで感度はあり、900nm付近までは70%の感度を保持しているので従来の冷却CMOSカメラより短い露出で済むようです。

近赤外で撮影すれば輝線星雲の成分は消えて無くなるような気がしますが、そうはいかないようです。恒星の周囲の塵は、恒星の光を反射した反射星雲ともなっていてその反射光は星雲を照らしている恒星の性質を反映した色となるはずです。つまり反射星雲の連続光成分には近赤外も含まれるので近赤外で撮影しても消えないということなのでしょう。

URANUS-C Proには、DPS(デッドピクセルサプレッション)とノンアンプグローという機能がついています。個別の個体のデッドピクセルが登録してありそれらを消し込んだ画像を吐き出してきます。デジカメの画像処理エンジンみたいなもんですね、吐き出してくる画像は、驚くほどダークノイズが少ない画像でした。

3件のコメント

  1. Orioさん、やはり近赤外像は白黒のほうが良いのですね。反射星雲の反射光のご説明、参考になりました。ありがとうございました。

    • ichimarronさん、こんばんわ。URANUS-C Proは、ベイヤー配列のカラーカメラなんですよ。今回の画像もRGBで撮影しているんですが、このカメラ近赤外では、RGBがまったく同じ感度特性になるので白黒で撮ったようにみえるのです。近赤外ではデベイヤーせずに高解像度モノクロカメラにする裏技もあるらしいです。(未確認)

  2. Orioさん、おはようございます。可視領域以外でRGBというのは個人的には邪道のような気がしております(ひがみも半分ありますが)。でも私の場合はと言いますと、近赤外JPEG画像をB/G/R別々に階調処理することもあり、どこを強調処理しているのか、もはや言語道断ですね。処理ソフトまかせなので少し反省しています。

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