Sh 2-60(散光星雲・HII領域・たて座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-IIフィルター, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 59=30m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/10, 00h 36m, +14.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N
Sh 2-60 周辺
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), HEUIB-IIフィルター, ISO3200, 120s x 16= 32m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/10, 00h 36m, +14.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N
Sh 2-60(散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 20′, 分類: HII, RA 18h 36m 40.5s DEC -06d 42m 04s (J2000.0)
Sh 2-59(散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 20′, 分類: HII, RA 18h 37m 00.6s DEC -07d 36m 01s (J2000.0)
B 103(暗黒星雲), 光度:— mag, 直径:4′, 分類:6 Ir –
NGC 6683(散開星団), 光度:9.4 mag, 直径:3′, 分類:I2p –
Sh 2-60とSh 2-59は共にたて座OB2群の北の端に見かけ上あるように見えます。Sh 2-60は、同じ方向に電波源W42がありますがW42の距離推定は13400pc〜2200pcと誤差が大きく関連もはっきりしません。この領域の視線方向は、距離の異なる星間雲や星団がいくつも重なって見えているために解析が困難なようです。
Marco, A. & Negueruela, I. (2011). “An obscured cluster associated with the H II region RCW173”, Astronomy and Astrophysics, Vol. 534, A114. によれば、RCW173(Sh 2-60)の最も明るい部分の南側にある星野のUBV測光を行い、その領域にある約20個の星の分光観測を行いました。その結果、3.0kpcに初期型星の集団が存在することがわかりました。この星団は、いて座腕と南十字座腕の交差点付近に位置しているはずです。電離星は明るいO7II星(USNO-A2 0825-12426079)が主な電離源である可能性が高い。また、B型巨星も多数発見されました。そのうちの数個は距離係数が短く、いて座腕に位置している可能性があります。この方角の視線は非常に複雑です。この領域にはいくつかのHII領域があり、厚い星形成の雲があることがわかります。これらの雲は、赤色超巨星の集団がある主要な恒星群の上に投影されています。としています。
ちなみに、Simbadではこの星雲は小さな多数の名称が異なるHII領域として分類されています。シャープレスカタログでの位置は星雲の明るい部分より北側を指しているので自動導入すると明るい部分は南側にずれます。
NGC 6683の北に見えるHII領域?
広角カメラで見ると、NGC 6683散開星団の北東に赤いHII領域らしき物が天の川と重なって見えています。領域の北側にDu 11というHII領域が登録されていますが、この星雲にはHII領域の名前はないようです。星雲の中心にはTYC 5125-2083-1、LAMOST-O 002 、O9 II の恒星があり[MML2017] 1651という分子雲とほぼ領域が重なっています。おそらく天の川と重なっているために認識されていないHII領域でしょう。
Finkbeiner hydrogen-alpha の画像(galaxymap.org)
撮影日は透明度が悪く(1/5評価)、露出をかけた割には今ひとつ星雲の写りがよくありません。残念。
たて座、へび座、わし座境界 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ASNフィルター, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII,2021/06/10, +14℃, 東御市・観測所 ↑N
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