NGC 7635(Sh 2-162・散光星雲・カシオペア座)

Sh 2-162 中心部(散光星雲・カシオペア座), 明るさ:–mag, 大きさ: 40′, 分類: HII, RA 23h 20m 41.5s DEC +61d 11m 52s (J2000.0), 視野角: 19′ x 13 ′ ↑ N

Sh 2-162 (散光星雲・カシオペア座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, QBPフィルター, Sony α7s (新改造), ISO25600, 30s x 45=24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/14, 22h 13m, +2.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

Sh 2-162とCas 0B2に関連する星雲
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), LPS-Dフィルター, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/14, 22h 13m, +2.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N

シャープレスカタログのSh 2-162は、バブル星雲、シャボン玉星雲という愛称を持つ明るいリング状星雲NGC 7635の周りに広がるHII領域です。星雲はバブルの中心より北側にずれた位置にあるO6.5 IIIf の8等星 BD +60°2522の強烈な恒星風によって電離しています。BD +60°2522は、自らの強烈な恒星風で水素の外殻を失ったカシオペアOB2群に属する超巨星です、この恒星とバブル星雲の関係は、過去の投稿を参照して下さい。

NGC 7635の中心星、シェル、ノット
QBPフィルターの効果か、今回はバブル星雲の周囲の小構造も判別できました。中心星BD+60 2522の西隣バブルの内側には非常に明るい彗星状の構造があります。バブルの外北側には、多数の凝縮部・ノットがいくつも存在していることがわかります。NGC 7635のバブルの殻は多重構造になっていて、最も明るい内側の殻の外に、淡い中間の殻が見えており北側の円周は内側の殻と重なっています。さらにその外側にも淡い外殻が存在しているであろうことが広域画像からは推測できます。

NGC 7635のバブルは、H II領域の物質が中心星の強烈な恒星風で吹き飛ばされ掃き出されたものが、その紫外線によって光電離している姿です。北側のノットは、H II領域でよく見られる「象の鼻」のような形態をしていて、電離星雲でよく見られる物質の柱です。
中心星の西側にある「彗星状のノット」は、密度の高い物質の2つの尾根がイオン化してV字状に見えるものでこれらのノットはバブルの中に入っておらず、恒星風や紫外線の影響を直接受けていません。ラム圧がバブルの素材を押し、ノットがその膨張に飲み込まれるのを防いでいます。これを簡単に物理的に例えると、風船の外側に手を押し当てると、風船は指の周りで歪むが、横から見ると指が中に入り込んでいるように見えるのと同じです。(参照: MOORE B.D., WALTER D.K., HESTER J.J.et. al Hubble space telescope observations of the windblown nebula NGC 7635. 2002 AJ)

NGC 7635までの距離。
文献によって2.2-2.6Kpc.とするものと3.5-3.6kp.に分かれます。Jonson(1980)らによってBD +60 2522 の分光視差に基づいて3.6 kpc という値が提示されていますが、MOORE B.D.(2002)らは同じスペクトルタイプでもO型星は絶対等級に大きなばらつきがあるためO型星の分光視差に基づく方法は、本質的に危険な方法だとしています。しかし、HII領域を電離させている恒星の多くはO型スペクトルの恒星なので、これらの恒星を使用せざるをえない場合が多く、従って今までのHII領域の距離測定は大方が大きな誤差を含んでいたということにもなるのでしょう。

最新のデータは、Sh 2-162=2.41 Kpc. (T. Foster and C. M. Brunt 2015)となっています。近年の距離測定はO型星の絶対等級のばらつきを是正するために、所属するOB群の多数の星を使用したり、星団による更正を使用するなどの方法で補正しているようです。

MWC 1080, HH 170 視野角:12 ′ x 8 ′ ↑ N
広域画像中の右下、Sh 2-157との境界付近にあるハービッグ・ハロー天体・Herbig Ae/Be星です。中質量の主系列前の星で星雲を伴います。星雲は反射星雲で輝線成分を含みません。したがって星雲部は輝線フィルターをつけない方が写りが良くなるはずです。MWC 1080は連星であり、さらに周囲に少なくとも6個の天体からなる恒星グループとされていて、単独の恒星ではないことは上の画像からもわかります。機会があれば、連続光で、恒星の分離が良くなる方法で確認してみたい対象です。

ケフェウス座・カシオペア座境界の Cep OB群 と Cas OB群

ケフェウス座・カシオペア座 境界  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ASNフィルター, ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/14, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

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