M 87 (NGC 4486) と周辺の銀河
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 23=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, 23h08m, -3℃, 東御市・観測所
視野角: 52′ x 35′ ↑N
M87周辺には暗いIC銀河、PGC銀河が無数にあります。暗い銀河を含めるとおとめ座銀河団の中で最も銀河が密集している場所でしょう。
M 87 (NGC 4486) , 光度 9.6 mag, 大きさ 8.3′ x 6.6′, 分類 E+0-1 pec; NLRG Sy, z 0.004283, RA 12h 30m 49.4233s DEC +12d 23m 28.043s (J2000.0)
視野角:約19′ x 13’ ↑N
M 87 (NGC 4486) の核近傍とジェット 視野角:8′ x 8′ ↑N
M87はおとめ座銀河団の超巨大楕円銀河です。2019年4月にこの銀河中心にある超巨大ブラックホールが直接観測されたことが発表され、初めて直接観測されたブラックホールとして話題となりました。
このブラックホールからは巨大なジェットが吹き出ていて、その様子は我々の小口径の望遠鏡の可視光画像でも容易に確認することができます。また、この銀河は強力な電波源であり、X線源でもあるため様々な観測機器を使った詳しい調査が行われている銀河でもあります。
話題の銀河のためか、英語版wikipediaで非常に詳しく(詳しすぎる?)解説されています、興味のある方には一読をお勧めします。(テキスト量が多すぎてGoogle 自動翻訳で一気に翻訳することはできませんが・・・。日本語版wikipediaは内容がまったく異なりますから英語版をみてください。)
NGC 4476, 光度 13.0g mag, 大きさ 1.7′ x 1.1′, 分類 SA(r)0-:, z 0.006565, RA 12h 29m 59.081s DEC +12d 20m 55.16s (J2000.0)
NGC 4478, 光度 12.4g mag, 大きさ 1.9′ x 1.6′, 分類 E2, z 0.004500, RA 12h 30m 17.416s DEC +12d 19m 42.79s (J2000.0)
NGC 4486A, 光度 14.0 mag, 大きさ 1.0′ x 0.9′, 分類 E2, z 0.002528, RA 12h 30m 57.710s DEC +12d 16m 13.28s (J2000.0)
視野角: 約19′ x 13’ ↑N
おとめ座銀河団は、M87を中心とする(おとめ座A)、M49を中心とする(おとめ座B)、およびM86のグループの3つのサブグループに分けられ、M87グループは主に楕円銀河とレンズ状銀河で構成され銀河の円環構造を形成しているとされます。*M87を中心とし、M86を2番目の中心とする「おとめ座A」、M49を中心とする「おとめ座B」、M60を中心とする「おとめ座C」、その他の小さなグループ、という分類もあるようです。いずれにしても「おとめ座A」の質量は他のサブグループに比較して桁違いに大きく乙女座銀河団の中核をなすものです。
M 87と周辺の主な銀河
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 8 = 12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, 23h08m, -3℃, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
圧倒的な数の銀河が密集しています。視野内のNGC天体はすべてマークしてあります。多数あるIC天体はマークしていません。記載すると画面は数字で覆われてしまうでしょうし、この付近のIC天体は小口径の対象となるようなものはほとんどありません。
かみのけ座、おとめ座、おとめ座銀河団中心付近 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(85mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, -3℃, 東御市・観測所 ↑N
12等以上の銀河をマークしています。番号が記入されている銀河は、小口径の望遠鏡で撮像してもその姿形を楽しめる対象です。四角く枠で囲った部分が「広角カメラ」画像の視野枠です。
<以下過去の投稿>
NGC4486(M87・おとめ座・銀河)(α7s・ 新改造)
投稿日:2015/06/24
NGC4486(M87) 9.6mag 1.9′ x 1.8′ E1
Sony α7s(新改造)フルサイズ ISO32000 15秒 x 16枚加算平均 BKP300 1500mm f5 MPCC-MK3 160JP 2015/05/21
中心からジェットを吹き出している銀河として有名。拡大すると小口径でもその様子がわかります。銀河の周囲にはたくさんの球状星団が取り巻いているのですがこれもいくつかは確認できます。