NGC 2903(銀河・しし座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 45=22分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/01/10, 01h29m, -10℃, 東御市・観測所
視野角: 52′ x 35′ ↑N
NGC 2903, 光度 9.7mag, 大きさ 12.6′ x 6.0′, 分類 SAB(rs)bc I-II HII, z 0.001834
視野角:約19′ x 13’ ↑N
しし座のNGC 2903です。毎年春の銀河シーズン開始時に機材や処理のチェックを兼ねて撮像しています。今年は改造カメラのカラーバランス補正が以前より少しはましになったような気がします。
しし座、NGC 2903付近 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(100mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/01/10, -10℃, 東御市・観測所 ↑N
この銀河は獅子の鼻先あたりにありますがこの領域は明るい銀河が少なく、画面中に12等以上の銀河はNGC 2903を含めて4個しかありません。
<以下過去の投稿>
NGC 2903(銀河・しし座)
NGC 2903(銀河), 光度:9.0mag, 直径:12.6′ x 6.0′, 分類:SBbc
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 24=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2017/12/20, -4℃, 東御市・観測所
視野角: 54′ x 36′ ↑N
NGC 2903 視野角:約20′ x 13’ ↑N
NGC 2903は、地球からの距離2000万光年と比較的近距離にあり、天の川銀河と似たような大きさであろうとされています。中心部に棒構造を持つ棒渦状銀河で、それを取り囲む銀河の腕の中には高密度の赤いHII領域や青い星団雲が見え活発に新しい星を形成していることが予想されます。実際に棒構造の周囲では爆発的に新しい星が作り出されていて、スターバースト銀河としても分類されます。
棒渦状銀河は新しい星を形成する仕組みを解明するのには最適な銀河で、銀河の棒状構造が中央部で形成される新しい星にどのようにして星の材料を供給しているかを宇宙望遠鏡などを使用しての観測研究が行われています。
NGC 2903では、核の周囲にホットスポットリングと呼ばれる環状構造があり、それは若い星が形成する球状星団から構成されているだろうと推測されています。我々の天の川銀河の球状星団は非常に古く、銀河の中で最も年老いた星で構成されています。少々奇妙な存在であるホットスポットは銀河中心の重力によって星形成が促進されているのかもしれないと予想されています。
APODの中心核付近の画像と解説はこちら、 https://apod.nasa.gov/apod/ap010321.html
追記:NGC 2905について
NGC 2905は、この銀河の棒構造北端にある特に輝く星形成領域を指します。ハーシェル親子がこの星雲を発見、観測していますが18世紀の眼視観測ではこの星雲の明るい部分しか見えないので明るい部分を別々の星雲として記録したためです。NGC カタログを作成したDreyerも同定観測で同じように別の星雲として確認認識したためNGC番号が与えられたというわけです。
その当時に習って眼視観測でその様子を確認してみたいものです。
<以下2016年4月7日投稿>
NGC2903(銀河・しし座)
NGC2903(銀河)9.0mag 12.0′ x 5.6’ SBbc
BKP300 1500mm f5, MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造)APS-Cクロップ
ISO12800, 30s x 20, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2016/02/08 東御市・観測所
しし座の鼻先にある明るい銀河。この銀河を見ると春の系外星雲シーズンの始まりを感じます。NGC 2903 は、3000万 光年 の距離にある棒渦状銀河ですが非常に星形成の盛んな銀河でその中心部で速い速度で星形成が行われています。活発な銀河のため星雲の中にはたくさんのHII領域や星団雲が認められ小口径の望遠鏡で撮影してもなかなか立派な姿です。
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<以下2015年4月22日 投稿>
NGC2903(しし座・銀河)テレコンバーターとHEUIB-II
NGC2903(しし座・銀河) 9.0mag 12’ SBbc
Sony α7s(新改造)フルサイズ60%トリミング ISO32000 30秒 x 8枚加算平均 BKP300+2Xテレコン, 3000mm, f10, HEUIB-II フィルター 160JP 2015/04/18
小さな系外銀河の撮影はもう少し焦点距離がほしいので2Xテレコンバーターを使ってみました。さらにH2領域を強調するためHEUIB-IIフィルターも入れて撮影。合成焦点距離は3000mmになり銀河のH2領域が強調されて華やかになりました。追尾が今少しなのは、赤道儀のバランスの東側を少し重くするのを忘れていて追尾が少々暴れてしまったためと思われます。コマコレクターを外してテレコンを接続しましたが、これは外さない方が像質は良いです、ごく中心以外はコマの影響で星像が悪化してしまいました。外側の腕をはっきりさせるにはもう少し露出をかけたいのですが、α7sのバルブは階調が12bitになってしまうため14bitで撮影できる限界は30秒です。撮影したコマを見てみると露出時間が30秒以下だと3000mmでもシンチレーションの影響を緩和できます。露出をのばすより感度を上げた方がいいのかどうか?試してみないとわかりませんね。
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<以下2014年5月10日 投稿>
NGC2903
NGC2903 (しし座) 9.1mag(V) 11.0′ x 4.6′ Sb
LX200-20 f6.3レデュサー 1280mm
Pentax K5IIs ISO6400 3m x 4コマ(2014/05/03撮影 )
南北に発達した腕がうっすらと確認できる。メシエナンバーがついていてもおかしくないくらい明るく渦状構造が見事な星雲。