Sh 2-125(IC 5146・まゆ星雲・散光星雲・はくちょう座)

Sh 2-125(散光星雲)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 59=30分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/07/03 02h18m, +19℃, 東御市・観測所, 視野角: 77′ x 51′  ↑N

Sh 2-125とその周辺
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), HEUIB-II, ISO3200, 120s x 15= 30m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/07/03, 02h 18m, +19.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N

Sh 2-125(散光星雲), 光度:— mag, 直径:9′, 分類:HII R OPC, RA 21h 53m 32.7s DEC +47d 16m 18s (J2000.0)

Sh 2-125は、大きさ約9′角の円形で、非常に明るい散光星雲+散開星団+反射星雲です。ICカタログを作成したドレイヤーの記述では、「IC 5146 9.5星」としていてIC 5146を散光星雲+散開星団と認識していたようです。

この星雲を電離発光させているのは、中心にある9.5等星、スペクトル型B0 Vの恒星 BD +46°3474とされています。約10′西に小さな青白い反射星雲を伴っている星は、ハービッグAe/Be星 BD +46 3471で、この2つの明るい星を取り囲むように若い恒星の星団が存在しています(HERBIG G.H., DAHM S.E. 2002)。

BD +46°3474は、大きな分子雲複合体の表面近くで形成されています。IC 5146の星雲は、BD +46°3474の強烈な紫外線によって周囲のガスを電離し吹き飛ばすことによって見えている分子雲複合体の表面に浮かぶ「水疱」のような存在です。IC5146の散開星団は、+46°3474の出現後に消滅した分子雲の中で形成されたと推測されています。

はくちょう座、とかげ座境界  ファインディングチャート
Pentax DFA70-200mmf2.8(70mm f2.8), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 120s x 15=30分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/07/03, +19.0℃, 東御市・観測所 ↑N

この領域、派手な散光星雲に目を奪われがちですが、我々の小さな望遠鏡でも面白そうな惑星状星雲が点在しています。機会があればこれらの星雲も見てみたいものです。

<以下過去の投稿>

IC 5146(Sh 2-125・まゆ星雲・散開星団+散光星雲・はくちょう座)2018/09/18

IC 5146(散開星団+散光星雲), 光度:7.2 mag, 直径:12.0′ , 分類:C+N
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 22=11分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/09/18  +12℃, 東御市・観測所, 視野角: 77′ x 51′  ↑N

IC 5146(散開星団+散光星雲), 光度:7.2 mag, 直径:12.0′ , 分類:C+N
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/09/18  +12℃, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)

はくちょう座の北東部分、とかげ座との境界近くにある明るい星雲で通称名は「まゆ星雲』です。小さな散開星団IC 5146を取り囲むように明るい散光星雲Sh 2-125があります。星雲の西側に細長く続く暗黒星雲はバーナード168(B168)で「まゆ星雲」とは密接な関連があり、星雲の中とそれに続く赤黒い分子雲の中では不可視の若い恒星が宇宙望遠鏡での観測で大量に見つかっています。

この星雲の外観的な特徴は、青色の混在した可視光写真での星雲の色です。中心付近にあるこの星雲の中で生まれた複数のB型星の強烈な紫外線によって周囲の星間雲(水素)が電離発光し、主にHα(赤)で光ります。一方まだ恒星が形成されてから時間があまり経っていない(約10万年)ために周囲の星間雲は中心付近の恒星の輻射によって遠く吹き飛ばされることなく近い位置にあるため青い星団の光を反射して青く光り、それらの光が混合して見えていると考えるとつじつまは合いそうです。(分光器で確認できるかもしれません)

数百万年の間この星雲の中で恒星は形成され、その輻射によって周囲の星間物質は外に押し出されバラ星雲のように中心部が空洞化したような外観を持つ星雲へと進化するのでしょう。

 

 

 

 

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