vdB 67〜74, NGC 2182(反射+散光星雲・いっかくじゅう座)

NGC 2182(反射星雲)近傍
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-IIフィルター, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 59=30分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/11/06, 00h 52m, +05℃, 東御市・観測所 視野角:77′ x 51′ ↑N


NGC 2182(反射星雲)周辺の星雲と恒星
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 120s x 16= 32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/11/05, 23h 49m, +05℃, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)

この領域は、van den Bergh (1966) によって反射星雲の集積する場所として研究され、Monoceros R2 (Mon R2) と命名された領域です。Mon R2 分子雲群は 3°〜6°角の広さ にわたって広がっていて、いくつかの星形成領域を含んでいます。(Hodapp, Klaus W. 2007AJ) この領域は「オリオン・エリダヌス座スーパーバブル」の東端に位置していて、実際広角カメラの東北端には、オリオン座バーナードループ(Sh 2-276)の一部が写り込んでいます。しかし、反射星雲を作っている各々の恒星の視差から推定される距離は、890pc(2,900光年)ほどあり、M42星雲のトラペジウムより2倍ほど遠い場所にあります。

反射星雲を作っている恒星は、そのほとんどがスペクトル型B型の高温で若い恒星です。それらの恒星は周囲の分子雲を電離発光もさせているために、赤いHII領域と青い反射星雲が混在して見えています。反射星雲が混在しているためか、どの星雲もシャープレスのHII領域カタログSh 2カタログには掲載されていません。

この領域でややこしいのは、それぞれの星雲の名称です。明るい青い反射星雲は、肉眼でも確認できたため一部にはNGCの番号があります。ただし、NGCカタログの位置が不完全なためか該当する星雲がはっきりしません。SimbadではvdBカタログの番号の星雲は、それを作る恒星と同じものとされるため、たとえば明らかに同じ星雲を指すであろうNGC 2182とvdB 72は別物とされてしまいます。また、カラー画像で赤く写るHII領域の強い部分でも、HII領域としての名称はなく反射星雲の名前しかありません。

この領域の星雲を整理して、広角カメラ画像の西から順番に見ていきましょう。

*Sh 2-276 広角カメラ画像の右上に赤く写り込んでいる星雲で、バーナードループ(Sh 2-276)の一部です。
*HD 41335周辺 恒星HD41335(B1V)の周囲には淡いHII領域らしき物が見えています(HII領域としては無名)。この恒星までの距離は、1,600光年ほどなのでオリオン座分子雲に関連するのかも知れません。
*vdB 67=BD-06 1415(B1)=NGC 2170?  Mon R2の中核部分を構成する反射星雲です。
*vdB 69=BD-06 1418(B2.5V) vdB67〜vdB69は、Mon R2の中核部分であり活発な星形成が行われている領域です。
*vdB 68=HD 42004(B1.5V) 星雲の中心は反射星雲、その周囲に混在するHII領域が広がっています。
*vdB 70=HD 42050 反射星雲vdB 70として登録されていますが、その西側は明るい赤い円形のHII領域が混在しています。HII領域としての名称はありません。過去の投稿で無名星雲としましたが、ここで訂正します。
*vdB 72=HD 42261=NGC 7182  複数のB型星からなる重星HD 42261周囲にある反射星雲。
*NGC 2183 散開星団GGD 12-15の中にある反射星雲。vdBの番号はありません。
*vdB 73=2MASS J06110614-0612389 YSO(若い恒星状天体)を背景とする反射星雲。
*vdB 74=BD-06 1444(B4V)=NGC 2185?

この領域をパロマーのDSS2カラー画像で見ると、赤い星雲の写りが悪く認識しにくいです。反射星雲の青とHII領域の赤が混在した領域は、写真乾板の特性で写りにくかった?のかもしれません。

いっかくじゅう座南部〜オリオン座 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), フィルター無し, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/11/05, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

コメントを残す

コメントを投稿するには、以下のいずれかでログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中