vdB 29(反射星雲・おうし座)

vdB 29(反射星雲)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 59=30分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/01/31 23h40m, -05℃, 東御市・観測所, 視野角: 77′ x 51′  ↑N

vdB 29(反射星雲)周辺
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/01/31 23h40m,  -05℃, 東御市・観測所, 視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)

vdB 29(GN 04.45.2?・反射星雲), 明るさ:- -mag, 大きさ:- -′ x – -′, RA 04h 48m 23.0s DEC +29d 46m 24s (J2000.0)

HD 30378(恒星), 明るさ:7.42 V, スペクトル型:B9.5V,

vdB 31(GN 04.52.5.02?・反射星雲), 明るさ:- – mag, 大きさ:- -′ x – -′, RA 04h 55m 46.0s DEC +30d 33m 06s (J2000.0)

vdB 29は、おうし座とぎょしゃ座境界近くにあり、7等級の恒星HD 30378によって照らされ光る反射星雲です。広角カメラの左上に見えている星雲は、ぎょしゃ座の反射星雲vdB 31です。広角カメラで見ると、視野全体に淡い反射分子雲に覆われ、所々にシミのような暗黒星雲が点在していることがわかります。これは、非常に大きな「おうし座星形成領域、おうし座複合体」の一部です。

おうし座複合体は、太陽系から近く(およそ140 pc, 456光年)恒星密度は低いが恒星の集団数が比較的大きい(約400個)ため分子雲の形成に関する重要な研究対象とされています。Luhman (2017)らは、Gaia DR2のデータを使用し、おうし座星形成領域に所属する可能性のある161個の候補星を調査し、所属する恒星は519個としました。vdB 29を形成しているHD 30378も、その中で新たにメンバーとされた恒星の一つです。つまりHD 30378は、この星雲の中で生まれたということになります。同じ反射星雲でも、星雲と密接に関連する恒星によるものと、vdB 37のように偶然近くを通過中の関連のない恒星によるものがあるんですね。

Esplin & Luhman (2017)によっておうし座のメンバーとして採用された星の空間的な分布。Gaia DR2から視差と固有運動が得られた星で、この研究でメンバーとされた星は塗りつぶし記号(赤丸、青三角、緑四角、シアンダイヤ)で、非メンバーとされる場合はX印で示す。また、Gaiaのデータを持たないメンバーには、黒縁丸印を付けた。運動量母集団をもとに、赤枠で囲んだ領域が境界線となります。おうし座の暗黒星雲は、消光マップ(グレースケール、Dobaら2005)で表示している。主たる暗黒星雲の名称を示した(B=バーナードら1927年、L=リンズ1962年)。
*The stellar membership of the Taurus star-forming region. LUHMAN K.L. 2018AJ….156..271L の図1より転載
*主なvdB, Sh2, IC, LBNの星雲を追記しました。

おうし座複合体 ファインディングチャート
Pentax DA40mmf2.8, Pentax K5IIs(ノーマル), ASNフィルター, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/10/03, +12.0℃, 東御市・観測所 ↑N

この画像を見ると、おうし座の星形成領域に連なっているようにも見える、ペルセウス座やぎょしゃ座の分子雲やHII領域とおうし座複合体との関連が気になります。ペルセウス座の星形成領域(分子雲)までの距離は450+-23pcとおうし座星形成領域より遠方にあることになっているのですが、天体の距離は水もの、重なっていればお手上げですから。

 

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