vdB 37(反射星雲)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 59=30分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/01/31 20h15m, -04℃, 東御市・観測所, 視野角: 77′ x 51′ ↑N
vdB 37(反射星雲)周辺
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/01/31 20h15m, -04℃, 東御市・観測所, 視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
vdB 37(LBN 851?・反射星雲), 明るさ:B 12[〜]mag, 大きさ:3.388′ x 2.238′, RA 05h 18m 04.16s DEC +13d 25m 04.6s (J2000.0)
V1057 Ori(HD 34454・変光星), 型:SRB(半規則型), スペクトル型:M5III, 光度:7.7 – 8.11 V, 周期:67日
vdB 35(GN 05.12.2?・HD 34033・反射星雲), 明るさ:- – mag, 大きさ:- -′ x – -′, RA 05h 15m 00.0s DEC +13d 00m 04.8s (J2000.0)
vdB 37とvdB 35は、オリオン座のエンゼルフィッシュ星雲(Sh 2-264)の近くにある反射星雲です。vdB 37を照らしているのは、星雲の中心にあるV1057 Oriという赤い半規則型の年老いた変光星です。若い星雲型変光星(オリオン型変光星)が見つかっている領域ですが、おそらくV1057 Oriと周りの星雲は関連は無くたまたまオリオン座の星間雲の濃い場所を通過しているために周囲の星間雲が反射星雲として見えているのでしょう。
近くにあるvdB 35も、事情は同じでHD 34033というG型の恒星が周囲の星間雲を照らしている姿でしょう。反射星雲の色の違いは、それぞれの照らしている恒星のスペクトル型(色)を反映しているためだと思われます。(散乱効果が無ければM5IIIのスペクトル型のV1057 Oriは深紅に近い色のはずです。)
Simbadで検索すると、vdB 37=V 1057 ori, vdB 35=HD 34033とされ恒星の別名という注記がついて、おそらく対応するであろうデータベース上の星雲(LBNやGN)の別名欄には出てきません。なんででしょ?
オリオン座 頭部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K70(改造), ASNフィルター, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2022/01/07, -6.0℃, 東御市・観測所 ↑N
orioさん、カタログによる違いのご指摘、大変参考になりました。Netで調べてみましたが、vdbは1966年の論文(トロント大)、LBNは1965年の論文(アリゾナ大)で、いずれもパロマ―天文台の観測結果を基にしています。1年の違いがあるのですが、前者はred printとblue printの両方の画像に移っているも(怪しいものを除いた、と説明されています)、後者はすべての画像に写っている星雲を収録した、とありました。当時は乾板を変えて撮影していたと推測されます。そうしますとvdbカタログのほううが1年分データが多いのかもと思われます。カナダの研究者のほうが慎重だったかも、とも思われますが(笑)。ちなみに抄録数は前者が168、後者はわかりませんが相当な数のようです。
ichimarronさん、コメントありがとうございました。vdBもLBNもSh2も同じパロマーのシュミットで撮影されたDSSの乾板(赤103aE, 青103aO)を使っているので、重複する物がけっこうありますね。同じ物を使っているためか見落としている領域も似た傾向があるようです。LBNは色情報が入っていて便利なのですが、星雲の位置と大きさがアバウトなのに区分けが細かすぎてちょっとやっかいです。
パロマー山シュミット乾板のコピーは、ン十年前に東京天文台の星図室で見ました。その時は、すげー!けど俺には関係ないなあ〜と思った記憶があります。パロマーのDSSの画像に近い画像がアマチュアの機材で撮影できるようになるなんて、良い時代?になったものですね。
東京天文台のお話、大変興味深いです。いつかお時間のある時にでもブログに掲載してください。楽しみにしています。