NGC 1316(銀河・ろ座)

NGC 1316, NGC 1317, NGC 1310 (銀河)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 30=15m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/12/04, 21h 54m, -1.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角:  52′ x 35′ ↑ N

NGC 1316(銀河)明るさ:9.4B mag, 大きさ:12.0′ x 8.5′, 分類:(R’)SAB(s)0^0 LINER, z 0.006010, 推定距離:約7千5百万光年, 19.182 Mpc(非赤方偏移)(NED),  LGG 094, RA 03h22m41.718s,  DEC -37d12m29.62s (J2000.0)

NGC 1310(銀河)明るさ:12.55 mag, 大きさ:2.0′ x 1.5′, 分類:SB(rs)cd HII, z 0.006021, 推定距離:約7千5百万光年, 21.483 Mpc(非赤方偏移)(NED),  LGG 094, RA 03h21m03.43s,  DEC -37d06m06.1s (J2000.0)

NGC 1317(銀河)明るさ:11.91 mag, 大きさ:2.8′ x 2.4′, 分類:(R’)SAB(rl)0/a , z 0.006474, 推定距離:約8千2百万光年, 16.900 Mpc(非赤方偏移)(NED),  LGG 094, RA 03h22m44.286s,  DEC -37d06m13.28s (J2000.0)

NGC 1316 は、強い電波源でもある巨大なレンズ状銀河です。M87のような銀河団の中心に見られる巨大楕円銀河に匹敵する大きさがありますが、NGC 1316は、ろ座銀河団の中心から外れた銀河団の端に位置しています。

NGC 1316の中心部は、大口径の望遠鏡や宇宙望遠鏡で見ると変則的な複数のダストの帯がある楕円銀河のように見えます。上の写真でも中心部の北側にその片鱗がかすかに見えています。また、外周部は大きく広がり、波紋や円弧状の構造(傘構造)があることがわかります。これらの構造は、NGC 1316が比較的最近に複数の銀河との合体によってできたことを示唆しており、やがて大きなバルジを持つ楕円銀河へと進化するだろうと推測されています。NGC 1316の銀河の合併時期を約30億年前とする研究もあるようですが、複数の銀河との合併が短い時間で完了するのは考えにくいので今の姿となったのはもっと最近のことなのでしょう。

NGC 1317は、見かけ上NGC 1316の近傍にあり相互作用をしているようにも見えます。しかし高解像度の画像をみるとその渦状構造には大きな乱れは見えないようです。赤方偏移からの推定距離も700万光年ほど離れているので、相互作用の影響は小さいのかも知れません。

NGC 1316では、1980N、1981D、2006dd、2006mの4つのIa型超新星が発見されています。レンズ状銀河だけれど銀河の併合による影響で星形成も部分的に活性化している結果なのでしょう。

この日のNGC 1316の観測地での南中高度は約15度ほどしかありません。外周部の複雑な構造などはよほど条件がそろわないと難しそうです。

ろ座〜エリダヌス座  ファインディングチャート
Pentax DFA70-200mmf2.8(70mm f2.8), Pentax K5IIS(ノーマル), ASNフィルター, ISO3200, 120s x 8=16分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/12/04, -1.0℃, 東御市・観測所 ↑N

この領域には、ろ座銀河団、ろ座銀河群があり、いくつかの興味深い大きな銀河が存在します。しかし、日本からは低い位置にしか見えず条件良く観測するのは、なかなか困難です。

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