NGC 5820, NGC 5821(銀河)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 30=15m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/08, 22h 55m, +12.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 52 ′ x 35 ′ ↑ N
NGC 5820(Arp 136・銀河)明るさ:13.42 mag, 大きさ:1.7′ x 1.1′, 分類:S0 , z 0.002945, 推定距離:約4千3百万光年, 39.200Mpc(非赤方偏移)(NED), LGG 395, RA 14h58m39.82s, DEC +53d53m09.9s (J2000.0)
NGC 5821(銀河)明るさ:14.6g mag, 大きさ:1.31′ x 0.70′, 分類:S? , z 0.011154, 推定距離:約1億5千2百万光年, – -Mpc(非赤方偏移)(NED), LGG 395, RA 14h58m59.657s, DEC +53d55m23.77s (J2000.0), 視野角: 12′ x 8′ ↑ N
NGC 5820は、レンズ状銀河(S0)を真横から見ている銀河です。銀河の東端から南に向かう青白い干渉痕のようなものが見えており、Arpの特異銀河カタログではArp 136の番号が与えられています。これは、銀河間の重力干渉による物だとすると、同じ銀河グループLGG 395に含まれ、すぐ近くに見えているNGC 5821との干渉が疑われます。
しかし、NEDによれば、赤方偏移から推測される2つの銀河の距離は、NGC 5820 = 4千3百万光年, NGC 5821 = 1億5千2百万光年とされていて、2つの銀河は干渉の起きようのない遠い距離にあることになります。ところが、Simbadを見るとNGC 5820の赤方偏移値は、0.010904とされていてこの値が正しいとすると、NGC 5820とNGC 5821は近い位置にあることになります。はて?これはどちらが正しいのでしょう?
あくまでもこれは推測ですが、NGC 5820に見える青い干渉痕のような物は、手前(距離:約4千300万光年)にあるまったく関連しない青色矮小銀河で、たまたまNGC 5820(距離:約1億5千万光年)と重なって見えているだけなのではないでしょうか?測定した場所によって大きく赤方偏移の数値が異なっていたとすればその可能性は高いでしょうが残念ながら確かめる手段は持ち合わせていません。Rick Johnson氏もその可能性については触れています。(http://images.mantrapskies.com/catalog/ARP-GALAXIES/ARP136-NGC5820-NGC5821-UGC09632/index.htm)
NGC 5821の真南に小さな銀河PGC 140436が見えています。一見手前の恒星が青い星雲の上に乗っているように見えますが、SDSS9等の高解像度の画像を見ると乗っているように見えるのは、恒星ではなく遠方?の明るい銀河のようです。青い本体に関しては、計測されていないようでこの銀河に関するデータはありません。形状を見ると干渉を受けた青い渦状銀河のように見えます。もし近い距離にあるのならこの銀河がArp 136干渉痕の犯人である可能性もありそうです。
おおぐま座 りゅう座 うしかい座 境界付近 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), ASNフィルター, Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/08, +12.0℃, 東御市・観測所 ↑N
原則12.4等より明るい星雲をマークしています。が、Blog掲載銀河では12.4等より暗い物もあるので、それらは小さな星雲マークをつけて表記することとしました。
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