NGC 5905, NGC 5908(銀河)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 30=15m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/08, 23h 14m, +12.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 52 ′ x 35 ′ ↑ N
NGC 5905(銀河)明るさ:12.49 mag, 大きさ:4.0′ x 2.6′, 分類:SB(r)b;HII Sy1 , z 0.011308, 推定距離:約1億5千3百万光年, 37.553Mpc(非赤方偏移)(NED), LGG 395, RA 15h15m23.321s, DEC +55d31m02.51s (J2000.0), 視野角: 8′ x 5′ ↑ N
NGC 5905は、活動銀河核(AGN)を持つSB型の渦状銀河でNEDではセイファート1タイプの活動銀河核とされます。活動銀河核の種類については異論もあるようです。外観の特徴は一目見てわかるように、銀河間の相互作用により引き出されたであろう一対の長い腕と、その腕の周囲に広がる恒星流と恒星雲でしょう。これらの歪みの原因としては、近くにある銀河NGC 5908が疑われますが、大方の資料では2つの銀河の間には現在は相互作用はないとされています。周囲に原因となるであろう銀河は見当たらないとなると別の原因としては衛星銀河の合併が考えられます。しかし小銀河の吸収では、このような大規模な変形は考えにくいでしょう。
NGC 5908(銀河)明るさ:12.79 mag, 大きさ:3.2′ x 1.2′, 分類:Sb , z 0.010951, 推定距離:約1億4千8百光年, 48.433Mpc(非赤方偏移)(NED), RA 15h16m43.22s, DEC +55d24m33.3s (J2000.0), 視野角: 8′ x 5′ ↑ N
NGC 5908 は、大きなハローが銀河を取り囲み中心部を貫く明瞭なダストの帯があり、過去の論文ではソンブレロ銀河 M104 に非常によく似ているとしています。しかし、ハローの外縁部を詳細に見ると、それはM104のような一様な広がりを持つものではなく、濃淡構造があることがわかります。これは、何らかの重力干渉を受けた結果と考えることができるでしょう。
NGC 5908とNGC 5905の現在の距離から推測すると過去により近い位置にあったとすれば、おそらく重力干渉が起きていたと思われます。NGC 5908は、Sb型に分類されていますが、M104が近年の観測で楕円銀河であることがわかったように、外観には重力干渉の影響を受けにくい楕円銀河である可能性が高いでしょう。一方NGC 5905はその影響を強く受ける渦状銀河であったために、2つの銀河が過去に接近遭遇した際の大規模な変形が、遠く離れた現在も残ったとするとつじつまは合いそうです。これは、シミュレーションによって事の真偽を判定できそうですが、残念ながら筆者にはその術がありません。
おおぐま座 りゅう座 うしかい座 境界付近 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), ASNフィルター, Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/08, +12.0℃, 東御市・観測所 ↑N
原則12.4等より明るい星雲をマークしています。が、Blog掲載銀河では12.4等より暗い物もあるので、それらは小さな星雲マークをつけて表記することとしました。
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