Sh 2-37, NGC 6589, NGC 6590, Sh 2-35
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-IIフィルター, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 59=30m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/09, 00h 15m, +12.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N
Sh 2-37 周辺
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), HEUIB-IIフィルター, ISO3200, 120s x 16= 32m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/09, 00h 15m, +12.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N
Sh 2-37(散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 20′, 分類: HII, RA 18h 17m 42.6s DEC -19d 39m 51s (J2000.0)
Sh 2-35(散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 20′, 分類: HII, RA 18h 15m 50.3s DEC -20d 15m 07s (J2000.0)
Sh 2-37とSh 2-35は、1800pcの距離にあるいて座OB7星群とおそらく関連するHII領域です。Sh 2-37はこの領域にある13万太陽質量の巨大分子雲に開いた穴から、電離星団Dias 5と重なるように見えています。(参照:http://galaxymap.org/cat/view/sharpless/37)
Sh 2-37は、IC 1283とかIC 1284と表記されることがありますが、正確にはIC 1283は、IC 1284の一部を指しています。ICカタログは、誤記やNGCカタログとの重複が多くみられるのでできる限り使いたくありません。SimbadはSh 2-37 = NGC 6590としていますが、これは明かな間違いです。この領域では同様な誤記がSimbadには見られます。
Sh 2-35は、Sh 2-37と同じ巨大分子雲の西端にあるHII領域です。シャープレスは、その大きさを20′角としました。が、このHII領域は天の川と重なっていて測定が困難だったのでしょう、広角カメラの写真が示すように、実際のその大きさはおよそ60′ほどもある大きなHII領域です。
NGC 6589, NGC 6590 視野角:19 ′ x 13 ′ ↑ N
NGC 6589とNGC 6590はSh 2-37とSh 2-35に挟まれるようにある、反射星雲(おそらく)です。NGC 6590に見える黒い穴のような存在は、オリオン座のNGC 1999と同様な構造のように思えますが、この星雲に関する研究は見つけることができず詳しくはわかりません、周囲の巨大分子雲との関連もわかりませんでした。NGC 6589をSimbadで検索しても関連のない赤外線ソースが出てきます、先に述べたようにNGC 6590は=Sh 2-37と出てきます。どちらも間違いですが研究が少ないせいか訂正もされないようです。
NGC 6589, NGC 6590の名称の混乱。
2つの星雲名も混乱しています。http://cseligman.com/text/atlas/ngc65a.htm#6589に歴史的経緯は詳しく掲載されているので下記に転載します。
NGC 6589 (= IC 4690)
トルーマン・サフォードが発見(1867年8月28日)(後にNGC 6589と記載)。
ルイス・スウィフトが発見(日付は?)(後にNGC 6589と記載)
エドワード・バーナードも観測(日付は?)
エドワード・バーナードが発見(1905年8月)(後にIC 4690と記載)。
いて座の反射星雲(赤経 18 16 51.7, 赤経 -19 46 41)。
ドレイヤーによるとNGC 6589は「非常に暗く、かなり大きな星雲の中心にある二重星」と記述。
サフォードの観測が発表されたのはかなり後なので、スウィフトの発見は独立したものである。また、ドレイヤーは、NGCが出版間近になってから気づいたので、付録として記しただけで、個々のNGCの項目には何も書かれていない。
NGC 6590 (= NGC 6595 = IC 4700 = OCL 31)
発見 (1830年7月14日): ジョン・ハーシェル (後にNGC 6595と記載)
ルイス・スウィフトが発見(1885年7月12日)(後にNGC 6590と記載)。
エドワード・バーナードも観測(NGC 6590と6595と記載)。
1905年8月、エドワード・バーナードが発見(後にIC4700と記載)。
いて座にある発光星雲・散開星団(太陽黄経 18 17 04.8 年、赤経 -19 51 58 年)。
ドレイヤーによると、NGC 6590 は「かなり暗く、かなり大きく、丸い星雲の中心にある二重星」と記述。
いて座の銀河
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ASNフィルター, ISO3200, 120s x 16=32分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/09, 00h 15m, +12.0℃, 東御市・観測所 ↑N
いて座、たて座、へび座境界 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII,2020/06/16, 14℃, 東御市・観測所 ↑N
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