Sh 2-298(NGC 2359・Thor’s Helmet・散光星雲・おおいぬ座)

Sh 2-298(NGC 2359・散光星雲・おおいぬ座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, QBPフィルター, Sony α7s (新改造), ISO25600, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/15, 02h 04m, +2.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

Sh 2-298(おおいぬ座)
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), LPS-Dフィルター, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/15, 02h 04m, +2.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N

Sh 2-298(NGC 2359・散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 22′, 分類: HII (WR), RA 07h 18m 38.0s DEC -13d 11m 55s (J2000.0)

Sh 2-298(NGC 2359 愛称:Thor’s Helmet)は、ヘルメットの中心にある超新星爆発寸前の恒星ウォルフ・ライエ星WR7、HD56925の強烈な恒星風と放射によって励起されている散光星雲です。距離は3.5〜6.9Kpcと研究者によってばらつきがあり、従って大きさも推定の域を出ません。

星雲の中心にあるヘルメット状の星雲は、典型的な強烈な恒星風(秒速1,545Km(Niedzielski1995))によって作られたドーム状の星雲で、ほぼ球形でいくつかのフィラメントがあります。HII領域は、バブルを部分的に取り囲むように存在し、明らかに周囲の障害物(分子雲)と干渉しています。星雲の南側にはWR7が赤色超巨星/高輝度青色変光星時代に作られたであろうショックフロントの存在が示唆されています。(RIZZO 2001)

*大質量星の進化と星雲
大質量星はその一生の間に、大量の物質、エネルギー、運動量を星間物質(ISM)に注入し、その周囲の環境、ひいては銀河系の進化に大きな影響を与えます。主系列の前段階では、大質量星は非常にエネルギッシュな質量放出の段階を経て、分子アウトフローを起こします。主系列の段階では、紫外線照射、HII領域の拡大、高速の恒星風が発生します。寿命の短い赤色超巨星(RSG)や高輝度青色変光星(LLV)の段階では、風は遅く、密度が高くなり、最大で太陽質量数個分の質量放出が起こります。超新星爆発する直前のWolf-Rayet(WR)段階では、高速(約2000km/秒)で化学的に豊かな恒星風によって、大量の質量放出(通常10-5 百万太陽質量 / 年 )が行われます。そのため、大質量星は、その周囲にある星間物質を絶えず加熱し、イオン化し、衝撃を与え、吹き飛ばしています。

Garc ́ıa-Segura & Mac Low (1995)は、大質量星を取り巻くガスの進化を、主系列からWR段階までモデル化しました。彼らは、異なる進化段階における星風の形での質量放出に関する単純なモデルのみを考慮し、大質量星の周りに大規模な構造が存在することを予測しています。吹き飛ばされたガスと噴出物の両方が、ガスの側で生成される異なる衝撃波の結果として、複数のシェルを形成する、としました。(RIZZO J.R., MARTIN-PINTADO J., MANGUM J.G. On the history of the interplay between HD 56925 and NGC 2359. 2001 A&A のIntroduction より)

おおいぬ座〜いっかくじゅう座〜とも座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), ASNフィルター、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/15, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

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