Sh 2-285(散光星雲・いっかくじゅう座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, QBPフィルター, Sony α7s (新改造), ISO25600, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/02/10, 20h 53m, -0.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N
Sh 2-285(散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 1′, 分類: HII, RA 06h 55m 12.2s DEC -00d 30m 37s (J2000.0), 視野角: 19 ′ x 13 ′ ↑ N
Sh 2-285は、いっかくじゅう座のNGC 2301散開星団の南東1°ほどの位置にある小さなHII領域です。可視光領域で撮影すると南側に青い反射星雲を付随し、星雲の色も単純なHII領域とは異なり青と赤の混在した色になります。今回はバンドパスフィルターを使用したためこの青い反射星雲は全くわかりません、残念。
星雲は赤外線星団[BDS2003]85を内包していいて、複数のB0型星で電離しているとされます。距離は、7690 pc +/- 680でSh 2-283からSh 2-286は1つの星形成領域であるとしています。(D. Russeil ら2007 A&A)
Sh 2-285 とSNR G213.0-00.6 (いっかくじゅう座)
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), QBPフィルター, ISO6400, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/02/10, 20h 53m, -0.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N
Sh 2-285の東側には、淡い円形に広がるHII領域らしきものが見えています。これは、電波で発見された超新星残骸SNR G213.0-00.6です。はて?電波源SNRが可視領域の写真でも写るんでしょうか?
G213.0-00.6の電波源としての発見は古く、Bonsignori-Facondi & Tomasi (1979)によって最初に報告されています。Reichら(2003)は、電波観測から、この天体が古いSNRであり、部分的に貝殻状の構造を持ち、この天体までの距離は2.4kpc、110×98pcの大きさになると示唆し、銀河系内で最も大きなSNRに分類される、としました。
Q. A. Parkerらは、英国・オーストラリア天文台/口径1.2m英国シュミット望遠鏡(AAO/UKST)による南半球銀河面のHαサーベイ(2005)を行い約20個の新しい超新星残骸を発見しました。次に既知のSNR電波源を光学的に同定する系統的探査を行いました(Stupar & Parker 2011)その中で、G213.0-00.6をHαで光学的に同定し、電波の形態と非常によく似ていることがわかった。としています。
DSS全天サーベイを見ると、この星雲は淡いですが写っています。しかし、リンドやシャープレスの星雲カタログには掲載されていません。おそらく何らかの理由でカタログの元となったパロマーサーベイの原板が明瞭では無く見逃され、その後電波観測が盛んとなり、光学的に観測されることがなかったのだろうと思います。南天のHII領域にはこのような領域が他にも散見されます。(ポンプ座、超新星残骸など)
いっかくじゅう座 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), ASNフィルター、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/12/17, -6.0℃, 東御市・観測所 ↑N
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