VMT 10・Monoceros Loop, バラ星雲(いっかくじゅう座)
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), QBPフィルター, ISO6400, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/12/18, 00h 00m, -6.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N
VMT 10・Monoceros Loop(超新星残骸), 明るさ:–, 大きさ: 220′ x 220′, 分類: HII(SNR), RA 06h 38m 43.0s DEC +06d 30m 12s (J2000.0)
Sh 2-275・バラ星雲(散光星雲), 明るさ:–, 大きさ: 100′, 分類: HII, RA 06h 31m 42.5s DEC +04d 55m 47s (J2000.0)
いっかくじゅう座ループ(Monoceros Loop)は、バラ星雲の北側に接するようにある大きな超新星残骸です。淡く広がった存在ですが古くから注目された領域で、Morganら(1965)は、ループの中にある3つの6等のO型星が電離星であり、ループの南端ではバラ星雲と、北端ではクリスマスツリー星団NGC2264を中心とする拡散ループ(Sh 2-273)との相互作用の可能性を指摘しました。Davies (1963)は、237MHzの電波観測を根拠に、このループが超新星残骸であるとし、MilneとHill (1969)は、470MHzと635MHzでループをマッピングして、電波と光学星雲の密接な一致を示しました。
有名な領域であり、過去にも現在もたくさんの研究がされているのでこの領域については、さぞかし理解が進んでいるのだろうと思うかも知れませんが天文学の場合は、よくわからないから→たくさん研究されている=様々な見解がある。となります。
一角獣ループ(超新星残骸)に関連するガスの発光特性は、電波(Graham et al.1982)、X線(Leahy et al.1986)、γ線(Jaffe et al.1997)、可視光(Fesen et al.1985)の各波長でよく研究されています。これらの研究やその他の研究から、「いっかくじゅう座ループ」は、隣接する(近い)バラ星雲(NGC 2244)と相互作用している可能性が高いことがわかっています。(B. Y. Welsh ら A&A 2001)
Monoceros SNRまでの距離は、従来の値よりも大きい1.98kpcと決定されました。一方、「ばら星雲」までの距離は1.55 kpcで、これは過去の研究と概ね一致しています。この2つの星雲の距離は、相互作用がないことを示唆しています。NGC 2264までの距離は1.20 kpcで、従来の値を上回っています。一角獣SNRの色過剰比は0.657で、天の川の平均値0.652と一致しています。この一致は、SNRの物質が超新星の噴出物ではなく星間ダストに支配されていることに起因しています。(ZHAO H. ら 2018ApJ…855…12Z)
この星雲の中心星候補のパルサーも発見されたようですから今後の研究の進展に期待しましょう。
Monoceros Loop とその周辺
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), ASNフィルター、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/12/17, -6.0℃, 東御市・観測所 ↑N
いっかくじゅう座 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), ASNフィルター、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/12/17, -6.0℃, 東御市・観測所 ↑N
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