Sh 2-223 中心部(超新星残骸?・ぎょしゃ座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, QBPフィルター, Sony α7s (新改造), ISO25600, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/02/10, 19h 45m, -0.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N
Sh 2-223(超新星残骸?・ぎょしゃ座)
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), QBPフィルター, ISO6400, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/02/10, 19h 45m, -0.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N
Sh 2-223 (超新星残骸?), 明るさ:–, 大きさ: 70′, 分類: SNR?, RA 05h 17m 11.1s DEC +42d 12m 43s (J2000.0)
シャープレスカタログのSh 2-223は、ぎょしゃ座にある淡い散光星雲です。
DICKEL J.R., YANG K.S.(1965 ApJ)によると、強い電波源OA 184は、パロマースカイサーベイの赤色写真の同じ位置にリング状の星雲が写っており、シャープレス(1959)によってNo.223としてリストアップされたものと一致します。鋭い外縁と貝のような構造から、超新星の残骸(SNR)ではないかと考えられています。としています。
ROUTLEDGE D., LANDECKER T.L., VANELDIK J.F.(1986 MNRAS)らによると、SNR OA184 を1.42GHzで連続光とHI線で観測しました。この電波連続体の画像は、微細構造と拡散放射の両方において、SNRの光学的な画像に強い相似があります。また、北西部のHIは、4 km s-1 程度の速度で膨張している証拠があり、SNR によって掃引された中性ガスの核であることが示唆されています。南西にある同じ速度の2つ目のHIもOA 184に関連していると思われます。SNRのシステム速度として-30km s_1を採用しており、距離は8±2kpcと考えられます。平均直径は175pcです。としています。
上の広角カメラ写真の左上に写っている星雲は、超新星残骸Sh 2-224です。Sh 2-224は、Hαの他にOIII輝線も強く発光しています。今回2つの波長領域だけを透過するQBPフィルターを使用しましたが、Sh 2-223は、Bチャネル、Gチャネルには画像が現れず、ほとんどHαだけで光っているように見えます。
FOSTER T., KOTHES R., SUN X.H.(2006 A&A)らによると、OA184の距離は2.2±0.4kpcで、銀河系のHIモデリング手順に基づいた新しい距離法で求められました。星雲の物理的パラメータ(イオン化シェルの温度、密度、磁場など)の推定からOA184はO7.5Vの単独星BD+41°1144を励起星とする銀河系内のHII領域であると結論づけられました。としています。
Sh 2-223は、超新星残骸ではなくO型星によって電離しているHII領域である可能性が高いようです。もし、電波ではなく分光観測から推定すれば早くから違った結論が出ていたのかも知れません。今回、超新星残骸ならばOIII輝線も強かろうとQBPフィルターで撮影したのは早とちりだったようです、残念・・・。
ペルセウス座〜ぎょしゃ座 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), フィルターなし、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/10/20, +6.0℃, 東御市・観測所 ↑N
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