NGC 247(銀河・くじら座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 34=17m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/10/20, 21h 50m, +6.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 52 ′ x 35 ′ ↑ N
NGC 247(銀河)明るさ:9.9 mag, 大きさ:21.4′ x 6.9′, 分類:SAB(s)d HII , z 0.000520, RA 00h47m08.55s DEC -20d45m37.4s (J2000.0)
NGC 247は、NGC 253と同じちょうこくしつ座銀河グループに所属し、約1,100万光年の距離にある銀河です。低表面輝度銀河に分類されていて見かけの大きさは大きいけれど暗く淡いため、近くにある同じような大きさのNGC 253の倍以上の露出をかけないと良く写ってくれません。形態分類は中間渦巻銀河ですが、その外観はやや乱れていて北側の円盤の中には恒星密度が低い空洞のような構造が見えています。
この銀河の最近の星生成率は、約0.1 M⊙ /年であり他の銀河に比べ1桁低く、活発な星形成は、約600万年前に終了した(Davidge (2006))とされます。NGC 247の水素ディスクは非常にコンパクトで、恒星ディスクは水素のディスクよりもはるかに広がっていることから他銀河との相互作用による可能性が指摘されています。もっとも疑わしい相互作用の相手は、近くにあるスターバースト銀河NGC 253(この銀河の水素ディスクも異常に小さい)ですが、まだその証拠は見つかっていません。
NGC 247と近傍の小銀河 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N
青い○でマークされているのは、PGCナンバーの銀河。番号のある銀河は、赤方偏移データがある銀河。
PGC 2791〜おそらくPGC 2795まで連なる銀河は、「バービッジの鎖」と呼ばれる距離約3億光年にある連なる銀河です。(あまり有名ではない?)これらは当然NGC 247とは関連しない銀河です。NGC 247の右手(西)にあるPGC 2683は、距離約2億光年にあり形状的にもやはり関連しない銀河です。その他、たくさんある小銀河も形状から判断してすべて遠方の銀河でしょう。
この画像では、既知の伴星雲である不規則銀河PGC2902が画面の左下端に写り込んでいるのみで、その他には伴星雲らしき存在は見つかりません。NGC 247, 253の既知の伴星雲候補はいずれもNGC247に近く、NGC 253の近傍にはありません。あるとすれば、非常に淡く拡散した存在でしょうから長時間での露出が必要なのでしょう。
ちょうこくしつ座〜くじら座境界 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), フィルター無し, ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/10/20, +6.0℃, 東御市・観測所 ↑N
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