Sh 2-177(散光星雲・カシオペア座)

Sh 2-177 (散光星雲・カシオペア座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, QBPフィルター, Sony α7s (新改造), ISO25600, 30s x 45=24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/14, 23h 06m, +2.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

Sh 2-177 (散光星雲・カシオペア座), 明るさ:–mag, 大きさ: 40′, 分類: HII, RA 00h 31m 32.4s DEC +62d 28m 09s (J2000.0)

Russeil(2007)らによれば、Sh 2-172、Sh 2-173、Sh 2-177を1つの星形成領域にまとめています。この3つの星雲は、すべてCas OB5群を取り巻くガスとダストの殻が拡大する方向にあります。(galaxymap.org)

シャープレスカタログ Sh 2-177は、O9Ve の恒星BD+61 105によって電離しているHII領域とされています。Sh 2-172の項目で述べたようにSh 2-172はHII領域ではない可能性があります。最新の距離データではSh 2-177=2.37 Kpc, Sh 2-173=2.96 Kpcとされ、それぞれの12COとHIの速度は、かなり異なっています。(T. Foster and C. M. Brunt 2015 AJ)2つの星雲共にCas OB4の領域の中にすっぽりと収まっているように見えこれをCas OB5の外殻とする理由もわかりませんでした。

画像上部に写っている輝星はカシオペア座κ星です。スペクトル型BC0.7の青色巨星で、距離約1.1 Kpc のCas OB14群のメンバーとされていますが、ヒッパルコスの視差測定値では1.37 Kpcとされています。いずれにしてもSh 2-177よりかなり手前にある恒星ですが、秒速1,100Kmで疾走する暴走星でもあり星間ガスや塵との衝突で長さ12光年のボウ・ショック構造を形成しているとされます。

Sh 2-177中央北側に、恒星LSI +62 119(Be?)を囲む小さい淡い反射星雲らしき物が見えています。この星雲はSimbadにも掲載は無く無名のようです。

Sh 2-177とその周辺
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), LPS-Dフィルター, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/14, 23h 06m, +2.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N

同じ視野の中に、Sh 2-179が見えています、これはBV 5-2という小さな惑星状星雲です。惑星状星雲は同視野にもう一つ、BV 5-1が見えています。BV 5-1の方が明るく大きな(細長い)星雲ですがこちらには、シャープレスの番号はありません。Sh 2-179は、暗黒星雲をバックにしていてカタログ作成当時のモノクロ乾板でも容易に検出でき、一方BV 5-1は天の川と淡いHII領域の中にあるために明るいのに見落とされてしまったのでしょう。

カシオペア座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), フィルター無し, ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/10/19, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

カシオペア座の Cas OB群

ケフェウス座・カシオペア座境界の Cep OB群 と Cas OB群

ケフェウス座・カシオペア座 境界  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ASNフィルター, ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/11/14, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

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