Sh 2-123(散光星雲?・はくちょう座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (新改造), ISO12800, 30s x 45=24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/08/19, 22h 37m, +20.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N
Sh 2-123 明るさ:–mag, 大きさ: 13′, 分類: HII?, RA 21h 42m 22.5s DEC +44d 32m 25s (J2000.0)
はくちょう座北東部のシャープレスカタログの星雲
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/08/19, +20.0℃, 東御市・観測所 ↑N
この領域を水素α線で調べると、Sh 2-123は、同じく謎に包まれたSh 2-113、Sh 2-114、Sh 2-118と共に、北アメリカ星雲Sh 2-117の南側と南東側にある長い星雲の尾根につながっていることがわかります。(galaxymap.org より)
Sh 2-123は、ループ状のHII領域です。この星雲の中には、暗い2つの白色矮星候補星Gaia DR2 1973817302524302080(19.8mag G)、とGaia DR2 1973811113473875584(18.1mag G)が2019年に見つかっています。星雲のループの中に見つかっている上に、星雲のループは複数のループが重なったような形状をしています。Hαマップを見ると近い位置にはありますがSh 2-118の星雲の尾根からは、少しはずれています。この星雲はSh 2-118とは関連しない惑星状星雲の可能性もありそうです。星雲の西側に見えている青白い輝星は、HD 206280で6.7等のスペクトル型B9の恒星です。
はくちょう座北部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/08/18, +20.0℃, 東御市・観測所 ↑N
Sh 2-118は、ファインディングチャートでは便宜的に星雲の中心付近をマークしてあります。
<以下2022年6月27日追記>
Sh 2-123(散光星雲・はくちょう座)
Sh 2-123 周辺
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), HEUIB-IIフィルター, ISO3200, 120s x 16= 32m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/10/03, 21h 09m, +14.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N
Sh 2-123 明るさ:–mag, 大きさ: 13′, 分類: HII?, RA 21h 42m 22.5s DEC +44d 32m 25s (J2000.0)
LBN 407 光度:18.0, 表面輝度: 28.14, 大きさ: 120′ x 12′, 明るさ: 6.0,色: 4.0
淡くて小さいHII?領域Sh 2-123周辺を、前回未撮影だった広角カメラで撮影しました。非常に淡い星雲なので強い画像処理が必要でしたが、処理後の画像では本体周辺にも非常に淡い赤い領域が見えてきました。Sh 2-123の西側(画面右)に見えている、おそらくHII領域であろう星雲は、LBN 407です。明るさ6.0,色4.0とされているので、最も暗い星雲で赤の乾板でのみ見えたということです。Sh 2-123の東側(画面左)に見えているものは、Sh 2-118の北端から続く淡い無名(Simbadにも該当無し)のHII領域でしょう。
この領域の周辺を、Finkbeiner のHαマップで見てみると、LBN 407はSh 2-124方向に伸びるHαの細い尾根に該当し、無名HII領域はSh 2-118からSh 2-125方向に伸びるHαの尾根の一部であることがわかります。Sh 2-123は、2つの尾根に挟まれたHαでは暗い領域にあります。その場所と形状からは、周囲のHII領域とは関連が薄いように見えます。残念ながらほとんど研究の対象とされたことがないので、有用な科学的なデータは存在せず、今のところその正体は不明です。