Sh 2-96(超新星残骸・はくちょう座)

Sh 2-96 (Supernova remnant・Cygnus)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/08/15, 21h 05m, +22.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

Sh 2-94, 96(Supernova remnant・Cygnus) and its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification), HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/08/15, 21h 05m, +22.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 4.2° x 2.8°(Wide field camera), ↑N

Sh 2-96 (Supernova remnant・Cygnus), Mag:–mag, Size: 25′, Class: SNR, RA 19h 28m 42.0s DEC +32d 41m 21s (J2000.0)

Sh 2-96 は、「はくちょう座」と「こと座」境界にある超新星残骸です。同領域にあるSh 2-91, Sh 2-94, Sh 2-96は、大きな超新星残骸 SNR 065.2+05.7のフィラメントだとされています。超新星残骸の大きさは直径70pc 年齢はおよそ2万年と推定されています。(glaxymap.org)

Boumis, P.他 “The kinematics of the bi-lobal supernova remnant G 65.3+5.7. II..”, Astronomy and Astrophysics, Vol. 424, 583-588. [2004A&A…424..583B]  Fig 1. OIII(5007Å)によるG 65.3+5.7の全体画像に、広角カメラ画像(赤)を合成。

Sh 2-94は、超新星残骸 SNR 065.2+05.7のフィラメントですが、Sh 2-96は、その形から違和感を感じます。Sh 2-96の南側には超新星残骸と思われるフィラメント構造が見えています。これは、超新星残骸SNR 065.2+05.7の衝撃波面にできたフィラメントで、上のBoumis, P.(2004)によって作成されたOIII画像による全体像の北西側にあたります。

この全体像に今回撮影した広角カメラ画像(赤)を合成するとフィラメントとSh 2-96の位置関係がよくわかります。Sh 2-96の中心部は、超新星残骸の衝撃波面の外側(北)にあります。衝撃波面が星間物質を掃きためながら膨張しているのであれば、より外側の離れた位置に関連する構造ができることは考えにくいことです。それはこの網状星雲の画像を見ても容易に想像できます。おそらく、Sh 2-96はそのフィラメント構造とHαで明るい本体とは直接は関連しない星雲なのでしょう。

超新星残骸の全体像を見ると、複数の超新星残骸が重なっているようにも見えます。また画面北側には非常に淡いループ構造も見えています。Gosachinskii, I. V. (2010).によれば、21cmの中性水素を観測したところ、この領域では複数回の超新星爆発が起こった可能性が高いとしています。Sh 2-96は、古い超新星爆発によって掃きためられた星間物質の名残かも知れません。

はくちょう座〜こと座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/08/15, +22.0℃, 東御市・観測所 ↑N

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