NGC 6357(Sh 2-11・散光星雲・さそり座)

Sh 2-11(NGC 6357・Diffuse Nebula・Scorpius), Mag:–mag, Size: 120′, Class: HII, RA 17h26m30.0s DEC -34d12m00s (J2000.0)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, 02h 09m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

Sh 2-11 (NGC 6357・Diffuse Nebula・Scorpius) and its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, 02h 09m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: :4.2° x 2.8° ↑N(Wide field camera)

Sh 2-11(NGC 6357)は、日本では彼岸花星雲の愛称を持つ明るいHII領域で、非常に若く大質量の散開星団を内包する星形成領域です。これらの散開星団は周囲の巨大分子雲と強い相互作用を起こし大質量星が生まれています。Sh 2-11(NGC 6357)までの距離は1.7kpcと推定されており、これは見かけ上近くにあるSh 2-8(NGC 6334)と実際にも近い距離にあることを示しています。

下図はMASSI F.(2015 A&A)らによるNGC 6357の広域概念図です。星雲は大きな殻(シェル)構造と3つの空洞構造(CS)からなり、明るいHII領域の中には対応する散開星団が存在し、最も明るい中心領域にはPismis 24と呼ばれる非常に若い散開星団があることがわかります。

NGC 6357のDSS red画像による広域概念図。
主な構造には印とラベルが付けられています。白い星マークは3つの既知の散開星団の位置を示しています。星雲までの距離を1.7 kpc と仮定してスケールを入れてあります。(Young open clusters in the Galactic star forming region NGC 6357. MASSI F., GIANNETTI A., DI CARLO E.et. al. 2015 A&A、Fig 1より)

Pismis 24散開星団 視野角:12′ x 8′

MASSI F.(2015 A&A)によると、3 つの大きな若い散開星団の中で最も大きく明るい Pismis 24 は、数千の恒星からなる非常に若い(1万年未満~3万年)散開星団であることがわかりました。また、Pismis 24は、いくつかの異なるサブクラスターに細分化することができるようです。そのうちの1つにはこの領域内の大質量星のほとんどすべてが含まれていることがわかりました。としています。

さそり座 尾部 Sh 2-11(NGC 6357) 付近 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +0.0°C, 東御市・観測所 ↑N

<以下2022/04/21追記>

Sh 2-11(NGC 6357・散光星雲+散開星団・さそり座)

Sh 2-11 (散光星雲)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, QBPフィルター, Sony α7s (新改造), ISO25600, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/10, 23h 29m, +14.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

Sh 2-11 周辺 (さそり座)
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (改造), QBPフィルター, ISO6400, 120s x 10= 20m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/06/10, 23h 29m, +14.0℃, 東御市 / 観測所, 視野角: 4.2° x 2.8°(広角カメラ), ↑N

Sh 2-11
(散光星雲), 明るさ:- -mag, 大きさ: 120′, 分類: HII, RA 17h26m30.0s DEC -34d12m00s (J2000.0)

Sh 2-11は、さそり座にある大きな散光星雲+散開星団(NGC 6357)です。NGC 6357は、Simbad等では散開星団として分類されていますが、NGCカタログを編纂したドレイヤーの記述を見ると「星雲に重星が絡んでいる」としているので単純な散開星団ではないと認識されていたようです。シャープレスカタログのHII領域の多くが、星団や赤外線星団を内包しているので表題の付け方(散光星雲?散開星団?)には少々悩みます。

散開星団 NGC 6357の中にある、Pismis 24 は、数千の恒星からなる非常に若い(1万年未満~3万年)散開星団で、これらの若く高温の星からの放射で、Sh 2-11は電離発光させられています。

今回は、HαとOIIIを透過するナローバンドフィルターQBPフィルターを使用しました。Sh 2-11は、ほぼ単純なHII領域なのでOIII輝線の寄与はありませんがHαの透過幅が狭くなるため、HEUIB-IIなどブロードバンドフィルターに比較すると、星雲の解像度が上がり複雑に絡むHIIの雲が見えてきます。ただし、透過する光の量は大方半減するので露出時間を延ばすか感度を上げて対処する必要があります。この星雲、日本での愛称は「彼岸花星雲」です。英語圏では「ロブスター星雲」高い解像度で見ると確かにロブスターがハサミを持ち上げている姿に見えますね。

広角カメラでQBPを使用すると、この領域は赤一色(Hα)となってしまいます。HII領域を抽出するのには便利そうですが、カラーカメラで撮像するとRチャンネルの画像を抜き出せば同じような効果を得られますし、カラー画像で見るとHII領域と天の川は色の違いで判別は簡単です。広角カメラではOIII輝線で光る星雲が存在しない領域でこのフィルターを使用するメリットはなさそうです。

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