NGC 4731, IC 3812, PGC 43526, PGC 43697(Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/21, 02h 22m, -4.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N
NGC 4731(銀河)光度:11.9 mag, 直径:6.6′ x 3.2′, 分類:SB(s)cd, z 0.004967, LGG 314, RA 12h51m01.09s DEC -06d23m35.0s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N
NASA の啓蒙サイト Astronomy Picture of the Day (https://apod.nasa.gov/apod/ap100429.html)によると、棒渦状銀河NGC 4731は、約6,500万年の彼方にあります。この愛らしい島宇宙は大きなおとめ座銀河団の中に存在しています。その大きな腕は、おとめ座銀河団の仲間である巨大な楕円銀河NGC 4697との重力相互作用によって歪められています。NGC4697はこのフレーム外の左上にありますが、小さな不規則な銀河NGC4731Aが下部近くに、その中の若い青い星団と共に印象的に見えます。
おとめ座銀河団のグループ分けは様々ありますが、NGC 4731は狭義のM86/M87を中心とするおとめ座銀河団には含まれません。おとめ座IIグループの中のNGC 4697を中心とするNGC 4697サブグループに含まれるとする場合が多数です。
Simbad によれば、NGC 4731 は、Galaxy in Pair of Galaxies で、PGC 43526(Galaxy in Pair of Galaxies)とのペアを指しているようです。この銀河の腕が歪んでいる原因は明確ではありません。NGC 4697は疑うべき対象ですが、見かけの位置がかなり離れています。同じLGG 314グループのNGC 4757や、ごく近くにあると思われやはり歪んでいるPGC 43526の方が相互干渉の可能性は高そうです。
APODの画像は、なぜか鏡像で左右が反転しています。普通の星図やAladinの画像では、フレーム左上にはNGC 4697はありません。
「愛らしい島宇宙」なんて表現を使われると意地悪なじいさんは、ついつい突っ込みたくなるのです。(^_^;
PGC 43526(銀河)光度:13.5 mag, 直径:1.3′ x 1.1′, 分類:Im pec, z 0.005050, RA 12h51m13.26s DEC -06d33m33.9s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N
LGGカタログでは、NGC 4731と同じグループには入っていませんが、赤方偏移値、見かけの位置と形状から、まず間違いなく同じグループで伴銀河でしょう。2つの銀河の間にはなにかしら存在するかも知れません。
PGC 43697(銀河)光度:16.2 mag, 直径:2.1′ x 2.1′, 分類:IAB(s)m , z 0.005117, LGG 314, RA 12h52m36.272s DEC -06d17m23.06s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N
こちらはLGGカタログでNGC 4731と同じグループに分類されている不規則銀河です。おそらくNGC 4731の伴銀河でしょう。
IC 3812(銀河)光度:13.2 mag, 直径:0.8′ x 0.2′, 分類:Sc, z 0.011368, RA 12h49m53.80s DEC -06d43m02.8s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N
周囲の銀河より遠方にある小さいですが、非常に明るく輝く銀河です。分類はScとされていますが単純な渦状銀河ではなさそうです。赤方偏移からの推定距離はおよそ1億5千万光年です。
おとめ座II銀河グループ付近 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(85mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, -3℃, 東御市・観測所 ↑N
超銀河団の新しい定義方法が2014年に提唱され、従来のおとめ座超銀河団は、ラニケア超銀河団の付属物になったそうです。「自然科学の真理とは仮のもだと心得よ」ということですなあ。
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