M 83(NGC 5236・銀河・うみへび座)

M 83・NGC 5236(Galaxy・Hydra)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/21, 03h 07m, -4.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

M 83・NGC 5236(銀河)光度:8.5 mag, 直径:12.9′ x 11.5′, 分類:SAB(s)c;HII Sbrst,  z 0.001711, LGG 355, RA 13h37m00.950s DEC -29d51m55.50s (J2000.0)
視野角: 19′ x 13′ ↑N

M83・NGC 5236 は、地球からの距離約1,500万光年、うみへび座のケンタウルス座境界近くにある中間棒渦状銀河です。現在、爆発的な星形成・スターバーストを起こしている銀河ですが、その原因は近くにある銀河NGC 5253と約10億年前に接近遭遇したことによる可能性が指摘されています。

この銀河は、渦巻腕でも高い星形成率であるために、多数のしかも大きなHII領域をその中に抱えています。Hα強調フィルターを使用して撮像するとたくさんの赤いHII領域が腕の中に浮かび上がってきます。この日は空の条件が良かったことと光学系の調整がうまくいったためか、いつもよりは詳細にその様子が見えているようです。

M83とNGC 5253までの距離と2つの銀河の関係
The Cepheid distance to NGC 5236 (M83) with the ESO Very Large Telescope. THIM F., TAMMANN G.A., SAHA A.et. al. 2003 APJ. によれば、M83銀河の中のケフェイド型変光星を使用した距離の測定をESO 超大型望遠鏡  8.2 m 望遠鏡で観測し、縮退距離弾性率(m-M)0=28.25+/-0.15、4.5+/-0.3Mpcの距離を得ました。SN 1972Eを使用したNGC 5253 の(m-M)0=28.01+/-0.15 という距離は、この銀河がM83の隣にあることを示しており、過去にこの銀河が(M83と)相互作用していた可能性を示唆しています。M83 と NGC 5253 の距離差はわずか 0.5+/-0.4Mpc です。予測される2つの銀河の距離は〜0.15Mpcに過ぎません。としています。

ケンタウルスA/M83銀河グループ
ケンタウルス座AとM83サブグループはまとめて、1つのケンタウルス座A/M83グループとして扱われてきました。しかし2つのサブグループには有意な距離の違いがあることがわかってきました。The Local Group and other neighboring galaxy groups. KARACHENTSEV I.D.  2005AJ. によれば、M83(=NGC 5236)周辺の銀河群は、Cen A群(+312 km s1)と同じ平均放射速度(+308 km s1)ではあるが、我々との距離はCen A群(3.66 Mpc)に比べて非常に大きく(4.56 Mpc)なっている。としています。

うみへび座・ケンタウルス座境界 M83周辺  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f3.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/21, -4.0℃, 東御市・観測所 ↑N

ケンタウルス座Aの周囲には目立つ明るい銀河はありませんが、M83の周りには明るい銀河や、Abellカタログの銀河群などがあり賑やかです。しかし実際にはM83グループはケンタウルス座Aグループより空間的にも質量的にもかなり小さいとされています。

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