M 63(NGC 5055・銀河・りょうけん座)合併残痕と近傍銀河

M 63 (NGC 5055)(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 180=95m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/14 + 04/25 + 05/13, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

M 63 (NGC 5055)(銀河)光度:9.3 mag, 直径:12.6′ x 7.2′, 分類:SA(rs)bc HII/LINER,  z 0.001614, LGG 347, RA 13h15m49.33s DEC +42d01m45.4s (J2000.0)
距離:約3,100万光年

M63の合併残痕・スターストリーム
今回は3日間分、合計95分の露出をしてM63の合併残痕、スターストリームの抽出を試みました。2011年に公表されたTaylor S. ChonisらによるM63の潮汐流の研究で指摘された恒星ストリーム候補(下図a〜g)は、すべて確認できました。

Fig 7 from A petal of the sunflower: photometry of the stellar tidal stream in the halo of Messier 63 (NGC 5055). CHONIS T.S., MARTINEZ-DELGADO D., GABANY R.J.et. al. 2011 AJ.
MDO 0.8m望遠鏡による測光特徴をG-MNS画像にa-hとして投影したもの。青矢印は主ループの幅を測定した位置、赤矢印は暗いd特徴の位置を示す。右中段画像は、MDOのRバンド、下段はG-NMSによる確認画像。上段はG-NMSの画像を極端な処理をせずに、ハローの内側の領域をより明確にしたもの。(G-NMS, Gralak’s New Mexico Skies 0.16 m Telescope . MDO, McDonald Observatory 0.8 m Telescope )

Chonisらによれば、g, h, UGCA 342 はスターストリームとは直接関係していない。a, b, eは連続する1つの巨大な潮汐流の突起であろう。西側の大きな構造Cは、銀河の腕の延長かもしれない。暗い構造dはより古い合併残痕かもしれない。fからSAO44528に伸びる暗いループ状構造は明るい恒星の影響で詳しくは調べられなかった。
また、これらの観測の中で降着した銀河の残骸と思われるものは検出できなかった、おそらく銀河の腕や濃いハロの明るさにまぎれて検出できなかったのだろう。としています。

M 63近傍の銀河

UGCA 337(銀河)光度:16.4g mag, 直径:0.8′ x 0.6′, 分類:Im:,  z 0.001765, RA 13h12m58.890s DEC +41d47m08.10s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

距離:約3,300万光年の低表面輝度不規則銀河です。見かけの位置はM63からかなり離れてはいますが、その形状と赤方偏移値からM63の伴銀河と思われます。画像を見る限りでは、おそらく本体のスターストリームとは関連していないでしょう。

UGC 8313(銀河)光度:14.4g mag, 直径:1.9′ x 0.6′, 分類:SB(s)c? sp,  z 0.001977,  RA 13h13m53.87s DEC +42d12m31.0s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

この銀河も、M63の伴銀河です。Chonisらによれば、銀河の位置と、その周辺には潮汐残骸がないので、M63の北東側のストリームに関連している可能性は低いとしています。が、今回撮像した画像からは、分子雲か画像処理のムラにまぎれてはっきりしませんがM63との間に淡い構造があるようにも見えます。

UGCA 342(銀河)光度:18.6g mag, 直径:1.6′ x 0.6′, 分類:Im,  z 0.001294,  RA 13 15 07.535 DEC +42 00 11.23 (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

形状からは、引き延ばされてM63に降着しつつある伴銀河のように見えますが、残念ながらB-Rの色が恒星ストリームと極端に異なっているため伴銀河である可能性は低く、M63銀河腕の中にある凝縮部とされています。

UGC 8365(銀河)光度:15.2g mag, 直径:1.8′ x 0.5′, 分類:SB(s)d ,  z 0.004053,  LGG 346, RA 13h18m45.120s DEC +41d56m58.70s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

LGG 346グループに所属する銀河とされ、M63と関連する銀河ではありません。棒構造が大きく偏心していて渦巻も乱れていることから何らかの重力干渉をうけたであろう姿をしています。

M63の濃いハローと羊毛状腕で構成されるディスクという構造は、しし座のNGC 3521銀河と大変よく似ています。小銀河の併合と羊毛状腕の形成は関連があるのかも知れません。今回撮像した画像は、引用論文の画像よりもかなり広い範囲をカバーしています。より適切なフラットフィールド補正が必要かも知れませんし、分子雲の影響も差し引かなければならないでしょうが、引用論文に指摘される構造よりもさらに外側に淡い構造が見えているようです。これは、今後のお題としておきましょう。

今回3日分の画像を合成しましたが、ドイツ式赤道儀の泣き所子午線を挟んで東西では視野の南北が反転することをすっかり失念して撮像していました。やむなく画像合成時には180度回転した画像を使用しましたが、あら不思議、フラットのムラと思われるものが平均化されてより淡い構造を抽出できたようです。けがの功名ですね。その代償として恒星像は望遠鏡補正レンズの収差を反映して間延びしてしまいました。

NGC 3521の記事でも述べたように、このように淡く広がった構造は、小口径で広視野の望遠鏡の良い対象となります。実際、引用論文中で使用されたG-NMS(Gralak’s New Mexico Skies.)望遠鏡は、口径わずかに16cmの屈折望遠鏡で市販の冷却CCDカメラとの組み合わせで撮像されたものでした。アマチュアの小口径望遠鏡でも新たな恒星ストリーム検出の可能性は十分ありえるでしょう。

りょうけん座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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