NGC 4800(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/14, 23h 32m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N
NGC 4800(銀河)光度:12.3 mag, 直径:1.6′ x 1.2′, 分類:SA(rs)b HII, z 0.002972, MRK 0439, RA 12h54m37.796s DEC +46d31m52.16s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N
NGC 4800は、小さいけれどHIIの活動銀河核を持ち中央部が明るく輝く渦状銀河です。天の川銀河から距離は約4,800万光年〜約9,500万光年と出典によってかなり幅があります。グループを形成しているのかどうかもはっきりしません。
弱い内輪(rs)は、「超小型核リング」を形成する二重のリングとなっており、赤外線で見ると弱い棒構造があることがわかりました(つまりSAではなくSB)。この辺の事情はこの研究 (Discovery of ultra-compact nuclear rings in three spiral galaxies. COMERON S., KNAPEN J.H., BECKMAN J.E.et. al. 2008 A&A)にわかりやすくまとめられているので、下記にその一部NGC 4800の項目を要約して転載します。
NGC 4800 は 距離=15.2 Mpc の SAb 銀河である (Tully 1988)。紫外画像とHα画像には、環核帯に二重リング構造が見られます。この2つのリングの内側のリングは、半径が30pc程度しかなく、明るい核(HII核に分類される)に非常に近く、淡く、パッチ状になっています。外側のリングは、半径がおよそ130pcで、より明るく、より広くなっています。
塵の痕跡が周囲の一部を覆っています。構造図を見ると、ダストが大きなリングの外縁まで内側に渦巻いていることがわかります。輪の間に構造がないことは、ダストが秩序を持っていないことを示唆しています。
NGC4800の2MASS近赤外画像を解析したところ、棒の無い渦巻き銀河(SA)に分類されているものの、約35秒の半長軸を持つ弱い棒構造(円盤よりも0.2倍高い楕円度を持つ)が存在していることがわかりました。NGC4800 は指数関数的な「バルジ」(Andredakis & Sanders 1994)を持っていることから、この銀河の中心部には棒構造に起因する原動力が存在すると考えられています。
UCNR(超小型核リング)の測光分析から、ダストによって非常に見えにくくなっている可能性が高いことがわかりました。このようなダストによる隠蔽は、Hαでは2等級以上の大きさであると考えられ、NGC4800のUCNRの場合は特に重要であると考えられます。
りょうけん座ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N