NGC 4369(銀河・りょうけん座)

NGC 4369(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/15, 00h 42m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

NGC 4369(銀河)光度:12.3 mag, 直径:2.0′ x 2.1′, 分類:(R)SA(rs)a HII,  z 0.003486,  MRK 0439, RA 12h24m36.20s DEC +39d22m58.8s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

NGC 4369は、天の川銀河から約6,000万光年の距離にある渦状銀河です。渦状銀河に分類されてはいますが、一見すると楕円銀河レンズ状銀河の特徴も併せ持っていて、従来の分類では分類するのが難しい銀河です。銀河の核周囲は非常に輝度が高く、紫外線超過銀河マルカリアン銀河カタログMrk 439番であり、現在スターバーストを起こしている銀河でもあります。詳細に見ると淡い渦状構造が外側のリング構造(R)と繫がっていて、核周辺には明るい棒構造のようなもの、輝く点がいくつか見えています。

上記の図は、NGC 4369(Mrk 439)の研究 (Star formation along a misaligned bar in the peculiar starburst galaxy Mkn 439. CHITRE A., JOSHI U.C., GANESH S. 1999 A&A )に掲載されている核近傍のB-Hカラーマップです。

この研究を要約すると、
銀河の中心部には、青い塊からなる棒状の構造が見られます。渦巻き状の腕が核領域から始まり、東側に向かってカーブしています。スポット1とスポット2の両端には、はっきりとした青い塊があります。もう一つの青い領域(スポット3)は スポット1の南側約8″の位置に見られます。Mkn 439の等値線は、光学的、近赤外、ライン発光では異なって見え、これらの様々な集団の分布が空間的に分離されていることを示しています。

銀河のガス成分は、ポテンシャルの影響を受けて、ガスが棒状に分布しているように見えます。このガスバー内のガスが圧縮されることで、若い星や大質量星が形成され、それがガスバーに沿って塊状のHII領域となって現れています。青い螺旋状の腕のようなものにはHII領域が見られません。これは、青色の渦巻き腕が中間年代の恒星集団から構成されていることを示しています。中心部に分子性ガスバーを持つ銀河の例としては、NGC253やM83などがあります。

結論として、以下のようにまとめています。
1、Mkn 439 は、3 つの異なる構成要素からなる特異な銀河です。 内側に楕円形の構造、その構造が埋め込まれた滑らかな外周、そして棒状構造です。この棒構造に沿って大質量の星が形成されていることがわかりました。この棒構造は銀河本体とはずれています。
2、棒構造の特徴は、波長が長くなるにつれて徐々に弱くなります。
3、この棒構造の中の星はまだ若く、近赤外領域の光に影響を与え始めていません。このことは、最近になってこの棒構造が形成され、棒構造に沿ってスターバーストが起きたきっかけとなった、何らかの摂動があったことを示しています。(訳注:おそらく質量の異なる螺旋銀河の合体)
4、銀河の内部には、ダストが存在していることを示唆するものがあります。

この研究はNGC 4369の特異な外観と構造をうまく説明できているように思います。

この銀河では、Type Icの超新星SN 2005klが14.9等で発見されています。

りょうけん座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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