NGC 4088, NGC 4085(銀河・おおぐま座)

NGC 4088, NGC 4085(Galaxy・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/15, 00h 10m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

長時間露出で撮影する予定が、眠気でボーとしていて短い露出で撮影してしまったため画像は2017年の投稿とあまり変化ありません。寄る年波には勝てず、そろそろ撮影の完全自動化に着手したいです。

NGC 4088(銀河)光度:11.2 mag, 直径:5.8′ x 2.2′, 分類:SAB(rs)bc HII ,  z 0.002524, Arp 018, LGG 258, RA 12h05m34.19s DEC +50d32m20.5s (J2000.0)

Arp 特異銀河カタログでの番号はArp 018番、切り離された銀河腕のカテゴリーに含まれます。NGC 4085と干渉するペアとされますが、現在でも(過去にも)重力的に干渉していたのかどうかはわかっていません。大きなグループでは、LGG 258, M109 (NGC 3992)グループに所属するとされていますが、これもカタログによってはNGC 4088, 4085 を中心とするもっと小さなグループに分類されています。

この銀河には、超高輝度X線源(ULX)が、銀河の腕の中に存在しています。上記の図は、NGC 4088のX線源とULXの位置を示すもので、チャンドラおよびスィフトX線観測衛星による最新の研究によるものです。(Revealing the nature of the ULX and X-ray population of the spiral galaxy NGC 4088. MEZCUA M., al. 2014 ApJ )

ULXは、銀河核から離れた位置にありながら、恒星のエディントン光限界を超える明るさを持つ天体です。ULXの候補は多数検出されましたが、チャンドラ等の観測によりそのほとんどがバックグランドのクエーサーや銀河核であることがわかり、真のULX候補は非常に少ない(今のところ一桁、天の川銀河には無い)ことが判明しています。NGC 4088は、数少ない真のULX候補を持つ銀河の一つです。(参照:A catalogue of ultra-luminous X-ray source coincidences with FIRST radio sources. 2006 A&A)

ULXの構造は未解明ですが、有力な仮説として太陽の数百倍〜数千倍程度の質量を持つ、中質量ブラックホール(IMBH)によるものとするものがあります。MEZCUA M.によれば。超巨大ブラックホールが存在する可能性が無い場所にあるNGC 4088のULX候補は、明るいHII領域の中にあり、高質量X線連星群の中にある恒星残骸ブラックホールに、ロッシュローブオーバーフローによって物質が供給され、超巨大エディントン超発光が起きている状態にあると結論づけています。

ULXが存在するという、明るいHII領域は我々の小口径の可視光画像からも同定できるようです。

NGC 4085(銀河)光度:12.9 mag, 直径:2.8′ x 0.8′, 分類:SAB(s)c:? HII ,  z 0.002487, LGG 258, RA 12h05m22.710s DEC +50d21m10.63s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

次回は忘れずに長時間露出を実施したいです。

おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

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