M 109(NGC 3992・銀河・おおぐま座)

M 109 (NGC 3992)(Galaxy・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/21, 01h 38m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

M 109 (NGC 3992)(銀河)光度:10.6 mag, 直径:7.6′ x 4.7′, 分類:SB(rs)bc;LINER HII ,  z 0.003496, LGG 258, UMa Cluster, RA 11h57m35.98s DEC +53d22m28.3s (J2000.0)
視野角:19′ x 13′ ↑N

M109は、天の川銀河からの距離約5,500万光年(この距離データはあまりあてになりません。おなじNEDの中に8,300+-2,400万光年というデータもあります。)の位置にある、大型の棒渦状銀河です。見かけの位置は、おおぐま座γ星フェクダから南東40分の位置にあります。

この銀河には中心部に中性水素の分布の穴があることが観測されています。
棒構造の別々の部分を測定した分光データからは、傾斜角57度では中心から1000光年の位置で、回転速度22Km/s という値が観測されています。このような速い棒構造の回転速度は、ハロの中のダークマターと棒構造が強い摩擦を棒構造の中の内部で起こしていることを示します。そのために中心ではダークマターの供給不足が、球というより環のような形で起きているはずです。電波観測での中性水素ガスの観測では、棒構造の中にほとんど中性水素は発見されずこの環構造がおおむね肯定されました。(参照:The Cambridge Photographic Atlas of Galaxies. M109 )

M 109は、M 109銀河グループとして知られる大きな銀河グループの中心銀河とされます。

M109 (NGC 3992) 近傍の銀河

銀河グループをM109の近傍から見ていくと、本体の南から西にかけて、PGC 37553(UGC 6923, z 0.00350)、PGC 37621(UGC 6940, z 0.003432)、PGC 37700(UGC 6969, z 0.003706)があり、これらはM109の伴星雲とされています。PGC 2438633は赤方偏移の値がかなり大きいので伴星雲ではなさそうです。その他周囲には微少な銀河が多数存在しますが確実にM109グループで伴星雲とされる物は上記の3つです。

M109 (NGC 3992) 周辺の銀河
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)

M109の銀河グループは、カタログによってそのメンバー数は50個〜70個とまちまちで確定していません。これらの銀河を南群、北群の2つの別々の銀河群に分類している場合もあります( P. Fouque. 1992)。どのカタログにも掲載されているNGC番号を持つ銀河は、NGC 3718, 3726, 3729, 3769, 3782, 3870, 3877, 3893, 3913, 3917, 3922, 3928, 3949, 3953, 3972, 3982,4010, 4026, 4085, 4088, 4100, 4102, 4142, 4157,です。

いままでに発見された超新星は1個だけで、SN 1956A です。

この銀河の過去の投稿はこちら

おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

おまけ

γ UMaのゴースト
3月に撮影した画像を処理をしていると、M109を貫くように淡い線状の構造が写っていました。スターストリームがこんなに長いわけはなく、高緯度分子雲でもなさそうです。同時撮影している広角カメラには写っていない(確認できない)のでγ UMaのゴーストだろうと判断しましたが後日確認してみました。

M 109 (NGC 3992), C/2017 T2(Galaxy・Comet・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/06/16, 21h 39m, +14.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

確認画像がこちら、ちょうど明るくなったパンスターズ彗星C/2017 T2が同じ視野にいました。この画像にはM109を貫くような物は見えず、右上の端にあるγUMaの(HEUIBフィルターの)ゴーストは今度は彗星の頭上に赤いひも状に現れていました。

 

 

 

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