NGC 3448(銀河・おおぐま座)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 45=23分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/18, 23h 31m, +2.1℃, 東御市・観測所, 視野角:52′ x 35′ ↑N
NGC 3448(銀河)光度:12.5 mag, 直径:5.6′ x 1.8′, 分類:I0, z 0.004503, ARP 205, RA 10h54m39.200s DEC +54d18m17.50s (J2000.0)
視野角:約12′ x 8’ ↑N
NGC 3448は、画像を見ると不規則に乱れた青い銀河で、南西に淡い伴星雲UGC 6016を従えているように見えます。特異銀河カタログの番号はArp 205番で、この銀河はアープカタログの中でもっとも青い銀河の1つであり(Larson and Tinsley 1979)、盛んに星形成が行われている銀河です。
拡大してみると、形の乱れた銀河の中には、横にしたS字状に変形したダストベルト、高い活性領域と思われる明るい点が見え、UGC 6016とはさらに淡い恒星ストリームで繋がっている様子がうかがえます。これらの様子は、PanSTARRS DR1 gの画像(下)を見ると明らかですが広がった淡い構造は、意外と解像度の低い小口径のデジタルカメラの画像でも捕らえられていることがわかります。
これらの様子からは当然2つの銀河の衝突が予測できます。この銀河までの距離はその特殊な動きから正確に推測することができませんが、これまでの研究(Bottinelli et al. 1978; Reakes 1979; and Bertola et al. 1984)では、かなりの誤差を含みますが10.7Mpcとされ、Bottinelli ら (1978) は、NGC3448 の内部の「速度の二重プロファイル」を報告しました。Reakes ( 1979 ) は、UGC 6016の自転速度を測定し、この矮星の質量が比較的高いことを報告しました。このことから、NGC3448とUGC6016は、4億~8億年前に距離10~15kpcで、ほぼ同平面での放物線状の接近をした可能性があることが示唆できます。(The amorphous galaxy NGC 3448. I. Photometry, dynamics and modeling. NOREAU L., KRONBERG P.P. 1986 AJ)
距離測定の難しさから、この銀河の所属ははっきりしません。Possible field galaxy (NED)、おおぐま座銀河群、りょうけん座超銀河群(Tully 1982)、などです。
活性の高い銀河ですが、エッジオンの銀河でおそらく実体はあまり大きくないためなのか発見されている超新星はII型超新星SN 2014G(日本の板垣さん発見) 1個のみです。
NGC 3448の北側に見えている淡い銀河の群れは[RRB2014] RM J105423.6+542447.0 というz 0.17676 の超遠方の銀河団です。
おおぐま座β付近 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/18, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N