M 67(NGC 2682・散開星団)光度:6.1mag, 大きさ: 30′,
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 20=10分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/20, 21h 44m, -4.0℃, 東御市・観測所視野角:77′ x 51′ ↑N
M 67は、かに座にあるメシエナンバーがついた明るい(6.1等)散開星団です。かに座にはもう一つM44 プレセペ星団(推定年齢6億年)という地球から近い(182 pc)散開星団がありますが、M67は推定年齢 32〜50億年、推定距離 800-900 pc と桁違いに古く、遠い散開星団とされています。
M 67は最も年老いた散開星団ではありませんが、古いことが知られている銀河内の散開星団は少なく、M67より近いものはありません。(英語版 Wikypedia)
散開星団は、総質量が小さいこともあり、重力による凝集力が比較的低くなっています。その結果、他の要因での外部重力の影響により、散開星団は比較的短時間(通常は約1000万年)で分散する傾向があります。例外的な状況下では、散開星団は最大1億年もの間、その形状を維持できます。(英語版 Wikypedia)
このブログで今年見てきた散開星団は、いずれも推定年齢は2億歳以上でした。散開星団の推定年齢はとてもばらつきが大きく、もっとも良く研究されているとされるM67ですら(もっともよく多数の研究者に研究されているから?)推定年齢の幅は、41+-9億年もあります。プレアデス星団の年齢も6000万年(国立科学博物館・宇宙の質問箱の回答)とされていたものが残存リチウムによる年齢推定(約1.2億年)が発表されてからは、最近こっそり1億年未満と改訂している関連サイトもあるようです。
現在の散開星団の推定年齢は、あまりあてにはなりませんが生き残って我々が観測できる大型の散開星団は、その形状をよく保ったまま数億年〜数十億年を経過していて、1億歳を超える散開星団が例外的で少ないわけではない、とは、言えるでしょう。
かに座南部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), ASNフィルター、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/02/10, -0.0℃, 東御市・観測所 ↑N