Sh 2-55(散光星雲), 光度:– mag, 直径:5′ , 分類:E
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 23=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/05/04, 01h 43m, +6℃, 東御市・観測所
視野角:77′ x 51′ ↑N
Sh 2-55(散光星雲), 光度:– mag, 直径:5′ , 分類:E
IC 1287 (反射星雲), 光度:– mag, 直径:44′ , 分類:Nb
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/05/04, 01h 43m, +6℃, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
Sh 2-55は小さな淡いHII領域で、おそらくその中心がいて座たて座境界にある、たて座スーパーバブルの外殻(Scutum supershell)の一部と推定されています。
広角写真ではSh 2-55の南側に大きく明瞭なHII領域と思われるものが天の川に重なって見えていますがこれらにはSh カタログの番号はありません。
シャープレスカタログは、1958年に完了したパロマー天文台のスカイサーベイプロジェクト(POSS)によって撮影された赤緯90度から-27度までの写真乾板を使用して作られました。パロマー天文台の写真星図は、コダックの103a-O(青色)と103a-E(赤色)の2種類の乾板を使用して最終的には937組の乾板で作られています。
シャープレスは、パロマーの103a-O(青色)と、103a-E(赤色)の写真を比較して、赤色の写真のみに写っている星雲状天体をHII領域の候補として抽出していったのでしょう。そのため天の川に重なるように存在するHII領域のように青色にも赤色にも写り込む領域は見落とされてしまったと考えられます。今ならカラーで撮影できるので容易にその違いを判別できるのですが当時の白黒写真乾板では難しかったことでしょう。
そのためSh カタログは、暗黒星雲をバックにしたHII領域は淡い物まで検出されていますが、天の川と混在している領域、青い反射星雲を伴う領域、OIII輝線が混在する領域などは意外と明るい星雲が見落とされていることに気がつきます。先人の苦労を偲びつつそういった星雲を見つけるのも楽しい作業のひとつです。
たて座、へび座境界 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N
シャープレスカタログの番号がついた星雲は、暗黒星雲の周辺に多く発見さていることがわかります。