M 104 (NGC 4594)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 23=11.5分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/03/09, 00h37m, -3℃, 東御市・観測所
視野角: 52′ x 35′ ↑N
M 104 (NGC 4594)
光度 8.98 mag, 大きさ 8.7′ x 3.5′, 分類 SA(s)a; LINER Sy 1.9 z 0.003416, RA 12h 39m 59.4318s DEC -11d 37m 22.996s (J2000.0), 視野角:約19′ x 13’ ↑N
明るく見かけの大きな銀河M104は、くっきりと目立つダストの帯と明るいバルジが作るその形からソンブレロ銀河と言う愛称で親しまれています。ハッブルの分類では従来SA型の渦状銀河とされてきましたが、ハロの広がりが非常に大きいこと、その中に数千個の球状星団が存在する(渦状銀河では通常数百個)ことなどから楕円銀河である可能性が示唆されていました。近年のスピッツァー宇宙望遠鏡などの観測から巨大な楕円銀河であることがわかりました。(巨大といっても天の川銀河の30%ほどの直径とされます)
M104銀河までの距離は約3000万光年、絶対光度は−21等と天の川銀河近傍にある銀河の中では非常に高い表面輝度の銀河です。
下記のファインディングチャートからも予測できるようにM104はおとめ座銀河団の南端にあり、実際にも銀河団から南に伸びるフィラメントの端に存在するとされ、おとめ座銀河団に所属するとは断定できていません。
その他、LINERタイプの活動銀河核の存在と巨大ブラックホールの存在確認など話題の尽きない銀河ですが、英語版ウィキペディアに最新の情報を含め詳しく解説されていますので興味のある方は参照してみて下さい。(最新すぎて不確定な要素もありますが)
おとめ座、からす座境界付近の銀河群 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(70mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/03/09, -3℃, 東御市・観測所 ↑N
12等以上の銀河をマークしています。おとめ座南部からす座との境界付近、おとめ座銀河団の南境界とされるM61グループなどよりさらに南の領域で、NGC 4697グループを含むおとめ座銀河団の拡張領域おとめ座II銀河団とされる領域です。これらの銀河は一つの大きなまとまりを作っているように見えます。この領域の南西端にM104はあり、その西側にはからす座、コップ座境界のおとめ座超銀河団コップ座雲に所属する銀河群まで明るい銀河は存在しません。
<以下過去の投稿>
NGC 4594(M104・ソンブレロ銀河・銀河・おとめ座)
投稿日:2016/06/08
NGC 4594(M104, ソンブレロ銀河)8.0mag 8.6′ x 4.2’ Sab
BKP300 1500mm f5, MPCC-MK3, Sony α7s(新改造)APS-Cクロップ, ISO12800, 30s x 8, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2016/04/8 東御市・観測所
おとめ座のソンブレロ星雲(M104)です。この星雲は見かけの位置がおとめ座銀河団の中心よりやや離れたからす座との境界付近にあります。おとめ座銀河団(VCC)のリストに含まれていませんが、地球からの距離約3000万光年でおとめ座銀河団の手前端にあるのだろうと考えられています。バルジ(銀河の中央部の膨らみ)が発達していて大望遠鏡や宇宙望遠鏡ではそれを取り囲むようにたくさんの球状星団が見えるのですが、小望遠鏡でも気流の条件が良い時に撮像するとそれらしい姿がわかります。観測地からはやや南に低いので気流の状態が良い時になかなか出会えません。
NGC4594(M104・おとめ座・銀河)(α7s・ 新改造)
投稿日:2015/03/27
NGC4594(M104 おとめ座) 9.2mag 6.0′ x 2.5.’ Sb
Sony α7s(新改造)APS-Cクロップ ISO16000 15秒 x 16枚加算平均 BKP300 1500mm f5 MPCC-MK3 160JP 2015/03/14
有名なソンブレロ星雲。南の空のシンチレーションが落ち着かず星が肥大して星雲の細部も今一歩でした。