NGC 4395
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 45=22分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/03/09, 03h32m, -3℃, 東御市・観測所
視野角: 52′ x 35′ ↑N
NGC 4395 光度 10.6 mag, 大きさ 13.2′ x 11.0′, 分類 SA(s)m:;LINER sy1.8, z 0.001064, RA 12h 25m 48.862s DEC +33d 32m 48.94s (J2000.0)
視野角:約19′ x 13’ ↑N
NGC 4395はりょうけん座の南部、かみのけ座境界に近い位置にある淡い銀河です。見かけの視直径13.2′ x 11.0’と大型の銀河ですが低表面輝度銀河と呼ばれているように非常に淡い銀河で全体を確認するには長い露出が必要です。銀河の中の明るいHII領域、星形成領域は、それぞれ東からNGC4399, 4400, 4401と別のNGC番号が与えられています。
この銀河は、活動銀河核を持つセイファートタイプの銀河で中心にはブラックホールが存在することが確認されその質量は正確に計測されました。(Peterson, Bradley; et al. (2005). “Multiwavelength Monitoring of the Dwarf Seyfert 1 Galaxy NGC 4395. I. A Reverberation-based Measurement of the Black Hole Mass”. The Astrophysical Journal.632) ブラックホールの質量はブラックホールを持つ他銀河に比較して非常に軽く小さいもので「中間質量ブラックホール」と呼ばれるものでした。
渦状銀河でありながら、腕は乱れはっきりせず、表面輝度が非常に低いのはなぜでしょうか?銀河はNGC 4214, 4244と同じM94グループに所属するとされます。このグループはりょうけん座不規則銀河群と呼ばれる、おそらく形成されてから間もない若い銀河を多数含みます。これらの銀河はNGC 4214の項で述べたように、合従を繰り返しながら渦状銀河へと進化するのだろうと考えられています。NGC 4395はいくつかの不規則銀河が合体し、渦状構造の形成が始まったばかりの銀河なのかもしれません。その円盤が大きく拡散して広がっていること、腕の巻きが異常に緩いこと、かつての不規則銀河の核の残痕かもしれない不釣り合いに明るい星形成領域を持つことなどがこれを裏づけているように思えます。
このような渦状銀河を形成途中の銀河が他にあまり見られないのは、渦構造は形成し始めると急速にその速度を上げて加速度的に渦構造を作るためでしょう。
りょうけん座南部、かみのけ座境界の銀河 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(70mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/03/09, -3℃, 東御市・観測所 ↑N
12等以上の銀河をマークしています。視野は、おおぐま座、りょうけん座、かみのけ座境界となります。様々なグループに所属する銀河が密集しています。
<以下過去の投稿>
NGC4395(りょうけん座・銀河)(α7s・ 新改造)
投稿日:2015/05/18
NGC4395(りょうけん座・銀河) 10.2mag 12.3’ SB Ring
Sony α7s(新改造)APS-Cクロップ ISO16000 15秒 x 12枚加算平均 BKP300 1500mm f5 MPCC-MK3 160JP 2015/03/21
淡い銀河が続きます。NGC4395は写真の通り大きな銀河ですが非常に淡く、この写真は強めの画像処理であぶり出しています。見た目の大きさはM83ぐらいありそうです。淡いためか明るい部分にそれぞれNGC4401, 4400, 4399というナンバーがついています。