NGC 4244
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 23=11.5分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/04, 22h45m, -1℃, 東御市・観測所
視野角: 52′ x 35′ ↑N
NGC 4244 光度 10.9 mag, 大きさ 19.4′ x 2.1′, 分類 SA(s)cd: sp HII, z 0.000815, RA 12h 17m 29.66s DEC +37d 48m 25.6s (J2000.0)
視野角:約19′ x 13’ ↑N
NGC 4244はりょうけん座のNGC 4214に近い位置にある渦状銀河で、地球からは銀河が真横に見えるエッジオン銀河です。ダストに富んだディスクとゆるく捲いた渦状腕があり、それらの中には多数の輝線星雲を見ることができます。
この銀河までの距離は約1400万光年とされNGC 4214なども含むM94グループに所属するとされます。銀河グループの分類はかなりの曖昧さを含む上に、この銀河グループは弱い重力で束縛されているようでほとんどの銀河がM94とは関係なく動いているように見えます。
NGC 4244の周囲には同じグループに所属するNGC 4214のような活発に星形成を行う矮小不規則銀河が多数存在します。しかし、NGC 4244の星形成率は0.12太陽質量/年と低く見積もられており活発な銀河ではありません。おそらく同じ雲の中で形成された銀河でありながら、形状も性質もまったく異なる銀河が隣り合わせて存在しているのは不思議なことです。
その理由を推測すると、不規則銀河は比較的最近に形成されたもので年齢は若く、今後、周囲にある小銀河との吸収や合併を繰り返しながら渦状銀河へと進化していくのでしょう。一方NGC 4244は周囲の不規則銀河より誕生が早く質量も大きかったため、多数の銀河の併合をすでに終えて渦状銀河となった姿ではないか、とするとつじつまは合いそうです。この推測を裏付けるように、この領域の不規則銀河の近傍にはさらに小さな矮小銀河や合併残痕(恒星ストリーム、尾)などが存在していますが、NGC 4244近傍にはそのようなものは見当たりません。
りょうけん座周辺の銀河 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(70mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/03/09, -3℃, 東御市・観測所 ↑N
12等以上の銀河をマークしています。おおぐま座境界からりょうけん座にかけては明るく見応えのある渦状銀河や不規則銀河が多数あり、楕円銀河の多いおとめ座銀河団との違いがわかります。
<以下過去の投稿>
NGC4244(りょうけん座・銀河)(α7s・ 新改造)
投稿日:2015/05/19
NGC4244(りょうけん座・銀河) 10.4mag 15.9’ Sc
Sony α7s(新改造)APS-Cクロップ ISO16000 15秒 x 12枚加算平均 BKP300 1500mm f5 MPCC-MK3 160JP 2015/03/21
エッジオンの銀河です。中心核の膨らみが小さく中心を通る暗黒帯ははっきりしません。しかし見かけの長さは16分あまりあり見事です。