M 84(NGC 4374), M 86 (NGC 4406) と周辺の銀河
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 23=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, 22h48m, -3℃, 東御市・観測所
視野角: 77′ x 51′ ↑N
M 84 (NGC 4374), 光度 10.1 mag, 大きさ 6.5′ x 5.6′, 分類 E1; LERG; LINER Sy2, z 0.003392, RA 12h 25m 03.7433s DEC +12d 53m 13.139s (J2000.0)
NGC 4387, 光度 12.8g mag, 大きさ 1.6′ x 1.0′, 分類 E5, z 0.001885, RA 12h 25m 41.680s DEC +12d 48m 37.85s (J2000.0)
視野角:約19′ x 13’↑N
M84はおとめ座銀河団の中心付近にM86と共にある超大型の楕円銀河です。楕円銀河はその色からも推測できるように通常は年老いた星で構成され、活発な星形成活動をみせることはありません。しかしM84では今までにSN 1957B, SN 1991bg, SN 1980 Iと3つ(1980 IはNGC 4387もしくはM86に所属するかもしれない)の超新星が発見されていて、これは楕円銀河では例外的に多く、星形成活動がごく最近まで行われていたか現在でも行われているのだろうと推測されていました。
1997年にハッブル宇宙望遠鏡での観測から、M84の中心部には高速に回転するディスクから噴出する2つのジェットの存在が明らかになり、この観測から中心部には超巨大ブラックホールの存在が予測されています。
同じくハッブルの紫外線カメラを使った観測から低レベルの星形成領域と若い星からなる星団が存在することが判明し、この銀河が今も星を生み出していることがわかりました。(Ford, Alyson; Bregman, J. N. (2012). “Detection of Ongoing, Low-Level Star Formation in Nearby Ellipticals”. )
ハッブルによるM84のごく狭い中心部の見事な画像を添付しておきます。
M 86, M 84と周辺の主な銀河
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 8 = 12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, 22h48m, -3℃, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
おとめ座銀河団の中心付近です。圧倒的な数の銀河が密集しています。13等以上で小口径でも撮像対象となりそうな銀河をマークしてあります。
かみのけ座、おとめ座、おとめ座銀河団中心付近 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(85mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, -3℃, 東御市・観測所 ↑N
12等以上の銀河をマークしています。番号が記入されている銀河は、小口径の望遠鏡で撮像してもその姿形を楽しめる対象です。四角く枠で囲った部分が「広角カメラ」画像の視野枠です。