Sh 2-238(反射星雲), 光度:– mag, 直径:1′, 分類:R
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 45=22分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/11/15 +0℃, 東御市・観測所
視野角: 77′ x 51′ ↑N
Sh 2-238(反射星雲)周辺
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/11/15 +0℃, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
ハインドの変光星雲(NGC 1555)を含む淡い大きな星間雲(分子雲)がSh 2-238です。
Sh 2-238, 239 ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(100mm f4), Pentax K5IIs(ノーマル), ISO3200, 90s x 16, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/01/09, -8℃, 東御市・観測所
視野角: 13.5° x 9.5° ↑N
牡牛座のヒアデス周辺の星間雲(分子雲)は周囲もしくは内包する恒星の光を反射して連続光で光っているので無改造のカメラでも遜色なく撮影できます。ただし淡い存在なので長時間の露出が必要です。
ヒアデス星団〜プレアス星団周辺の暗黒星雲
SMC Takumar 50mm f1.8 (f4), Pentax K5IIs(ノーマル), フィルターなし
ISO3200, 90s x 16, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/11/15 0℃, 東御市・観測所
ガラクタ箱にあった45年前のPentax SPの標準レンズ、SMCタクマー50mm f1.8をf4まで絞り込み色収差を現像時に除去するとそこそこ使える画像となりました。
*以下過去の投稿
NGC 1555, 1554(Sh 2-238・反射星雲・おうし座)
投稿日:2017/03/16
NGC 1555(Sh 2-238・反射星雲), 光度:– mag, 直径:1′, 分類:R
NGC 1554(恒星), 光度:– mag, 直径:–′, 分類:–
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造)フルサイズ
ISO12800, 30s x 16, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2016/12/02 0℃ 東御市・観測所, 視野角:80′ x 50’↑N
中央右寄りの小さな赤い星雲はハインドの変光星雲(NGC 1555)、それを照らしている赤い星がT-Tauという変光星で不規則に変光するT-Tau型変光星の代表星です。T-Tauも星雲も変光しますがその明るさの変化は同期するとは限りません。NGC 1554は現在その位置には14等星の恒星しかありませんが、発見された1868年には存在していた星雲が10年後には消失しています。これはたぶんハービッグ・ハロー天体だったのだろうと思われます。
NGC 1555のま わりを淡い大きな雲のようなものが取り巻いているのがわかります。NGC 1579のところでも触れましたが、これらの雲状のものを分子雲(星間分子雲)と説明しているのを見かけます。しかし、分子雲はそのほとんどが水素分子H2で構成されていて電離水素とは異なり低温では安定で放射しません。そのため分子雲の存在を捜すには分子雲に含まれるごく少量のCOが発する電磁波を電波望遠鏡でさがしCOとH2の存在比からその大きさ量を推定しています。光らないものが可視光のカメラで写ることはありませんからこれは少なくともH2の分子雲そのものではなさそうです。この雲状に淡く光るものの正体はなんなんでしょう?(次回に続く)
<2018年01月24日 追記>
NGC 1555(反射星雲・おうし座)T-Tau と周辺星雲のスペクトル
T-Tau星は非常に若い(数百万歳)生まれたての星です。星の周囲には星を生んだ濃厚な星間雲(水素の分子雲)が広がり一部はT-Tauによって照らされ見えています(NGC1555、反射星雲)が、明るさは変化し見えなくなることもあります。
周囲に広がる淡い星雲は、H2の分子雲のはずですがH2は非常に安定で放射することはなく可視光では、背景の星の光を遮断する真っ黒な暗黒星雲として観測されます。しかしここでは淡く光る星雲として見えています、この淡い星雲の正体を確かめるために自作分光器を向けてみました。
T-Tau星と周囲の星雲スペクトル
T-Tau星とNGC 1555のスペクトル
BKP300(1500mm f5), Sony a7s(改造)、自作分光器(愛光者7号)、ISO25600, 30s x 12, 2017/11/19 , 長野県東御市・観測所
分光器のスリットを改良、ワイドスリット(250μ)とナロースリット(80μ)が同時に使えるようにしました。ナローでT-Tau星をワイドで星雲を同時に測定します。ワイドスリットのおかげで対象の導入も楽になりました。
NGC1555はT-Tauの光を反射している反射星雲であることがスペクトルから確認できます(連続光で光っている)。Hgは光害、蛍光灯由来。さらにその外側の淡い部分も連続光で光っているので、分子雲が恒星の光を透過もしくは反射している姿と思われます。
内部から透過してきた光なのか反射している光なのかの判別はつきませんが電離発光星雲でないことは確かです。つまりこの淡い部分は分子雲が星雲内部の不可視な恒星によって、照らされて光っているので星雲の分類で言えば反射星雲がもっとも近いのでしょう。これを単純に分子雲と表記すると分子雲は発光すると誤解を招きかねないので適切ではありません。
T-Tau星 生データの解析グラフ
T-Tau星は主系列の恒星とまったく異なり星雲のように強い輝線があります。今回OI?の輝線が見えていますが過去のデータを見ると、これはありません。明るさだけでなくスペクトルも変化しているのか?、それとも別の原因でしょうか?