SMC Takumar 55mm F1.8 (Pentax・M42・旭光学工業)の結像テスト


1970年代、一眼レフのベストセラーPentax SPの標準レンズとして製造されたレンズ。おそらく世界で最も数が生産された一眼レフ用レンズ。

中国製の85ミリレンズを昨年(2017年)購入。テスト撮影してみるとまるでトイレンズみたいで50年前のフィルム時代のレンズだってもっとよかったんじゃないか?最近のデジカメは感度性能が劇的に上がっているから、絞れば昔のレンズも使えるかも?ということで、ガラクタ箱をガサガサしてみました。

使えそうなレンズが10本くらい出てきたので順次テストしてみましょう。第一回はSMC TAKUMAR 50mm f1.8 、ベストセラーペンタックスSPの標準レンズとして1970年代に生産されたM42スクリューマウントのレンズです。

フィルム時代の印象は一般撮影では可も無く不可も無く、天体写真では形の乱れは少ないけれど星像は甘い、といったところ。

<APS-Cサイズの四隅と中央部星像>元画像、絞りF4, 中央部と四隅の400 x 267の星像、クリック拡大で等倍

*画像中心部の星像はやや甘く色収差も強く残っています。Kマウント用の純正M42アダプターは無限遠以上にレンズを繰り込めないのでもしかするともう少し追い込めるのかも知れません。

*なだらかに周辺に向かって星像は悪化していきます、球面収差の影響はありますが四隅でも非点収差等で極端に星像が悪化することはありません。ただし強い青の色収差が残っています。

<テストチャート画像>上f4時と下f1.8開放の中央部から40%左までの画像

f1.8開放ではかなり画像は甘く、色収差が強く残っています。f4に絞ると画像はかなり改善されますが、青の色収差はまだ残っていることがわかります。

<作例・ぎょしゃ座の銀河>
ぎょしゃ座の銀河、SMC Takumar 55mm F1.8, 絞りF4, Pentax K5IIs(ノーマル), ISO3200, 90s x 6, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/11/15, +0℃, 東御市・観測所
adobe Lightroom で現像時に色収差、フリンジを除去、Photoshop で色調、コントラスト調整。

*そのまま画像を使おうとすると、残存する青色の色収差のために星像が青くにじんで画面全体が強く青くなってしまいうまくありません。そこで、デジタル現像時に色収差の除去をしました。結果、劇的に画面の青かぶりはなくなり星像もシャープになりました、便利な時代になったものです。

モノクロ写真だと、カラー写真より色収差は画像の悪化に強く影響するので、このレンズ昔はあまり評判が良くなかったこともうなずけます。しかし、デジタルになった今では色収差はソフトウエア的に消し込むことができるので、このレンズのように色収差は強いが星像はあまり変形しないレンズは生き返らせるんですね。

 

 

 

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