ACO 1367(Abell 1367・NGC 3842他・銀河団・しし座)

ACO(Abell) 1367, しし座銀河団 付近
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 20=10分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/05/14, +8℃, 東御市・観測所, 視野角: 77′ x 51′  ↑N

しし座銀河団、ACO(Abell)1367は、しし座のおしりあたり、しし座 β星デネボラの北にある銀河団でおよそ1°の視野の中に明るいものだけで約70〜100個の銀河を認めることができます。

NGC 3842 と周囲の銀河(しし座銀河団の中心部) 視野角:19′ x 13’↑N

NGC 3837(銀河), 光度:13.3mag, 直径:48″ x 48″, 分類:Sab
NGC 3840(銀河), 光度:13.8mag, 直径:1.1′ x 48″, 分類:S
NGC 3841(銀河), 光度:13.6mag, 直径:42″ x 30″, 分類:S0
NGC 3842(銀河), 光度:11.8mag, 直径:1.4′ x 1.0′, 分類:E
NGC 3844(銀河), 光度:13.9mag, 直径:1.2′ x 12″, 分類:S0a
NGC 3845(銀河), 光度:14.0mag, 直径:48″ x 18″, 分類:S
NGC 3851(銀河), 光度:14.7mag, 直径:36″ x 24″, 分類:E

しし座銀河団の見かけ上も空間的にもその中心にある最も明るい楕円銀河がNGC 3842です。NGC 3842は地球からの距離約3億3千万光年の遠方にあり、その中心には太陽質量の70億倍もある最大級のブラックホールの存在が予測されています。

銀河団の中には、渦状銀河が多く残っていることから比較的若い銀河団ではないかと予測されていて、お隣の「かみのけ座銀河団」と共に「かみのけ座超銀河団」の中核を形成しています。我々の所属する「おとめ座超銀河団」に最も近い超銀河団であり、銀河団と超銀河団が作る5億〜7.5億光年もの大きさのフィラメント構造の中心を担っています。

画像の中の銀河でNGC 3845だけは、他の銀河とは空間的に少し離れた位置にある渦状銀河です。

参照:英語版ウイキペディア 「Leo Cluster」

NGC 3816(銀河), 光度:12.5mag, 直径:1.9′ x 1.1′, 分類:S0
SDSSの画像を見ると単純なレンズ状銀河ではなさそうです。
http://astronomerica.awardspace.com/SDSS-28/NGC3816.php
視野角:8′ x 5’ ↑N

NGC 3821(銀河), 光度:12.9mag, 直径:1.4′ x 1.3′, 分類:SBa
顕著なリング構造が見える渦状銀河です。
視野角:8′ x 5’ ↑N

IC 2951(銀河), 光度:13.6mag, 直径:1.4′ x 42″, 分類:Sa
視野角:8′ x 5’ ↑N

NGC 3860(銀河), 光度:13.4mag, 直径:1.0′ x 36″, 分類:S
視野角:8′ x 5’ ↑N

NGC 3861(銀河), 光度:12.7mag, 直径:2.3′ x 1.3′, 分類:S
ライナータイプの活性銀河核を持つ渦状銀河です。大きく発達した腕は一周してリングのような外観を見せています。超新星SN 2014aaが発見されています。
視野角:8′ x 5’ ↑N

NGC 3862(銀河), 光度:12.7mag, 直径:1.5′ x 1.5′, 分類:E
この銀河では、HSTの観測から銀河の中心部に可視光で明瞭なジェット構造が見つかっています。中央部にあるブラックホールによって吹き出しているもので、長期間の観測でそのノット(結び目のような構造)が移動する様子が観測されています。 https://www.spacetelescope.org/images/opo1519a/ さすがに微少口径の望遠鏡ではジェット構造はまったくわかりませんね。北側にある銀河はIC 2955です。
視野角:8′ x 5’ ↑N

NGC 3873(銀河), 光度:12.9mag, 直径:1.5′ x 1.3′, 分類:E
NGC 3875(銀河), 光度:13.9mag, 直径:1.0′ x 18″, 分類:S0a
2つの銀河はペアを組む銀河とされていますが、赤方偏移の値はかなり異なるので空間的には互いの外観に影響を及ぼすほどには近くはないのでしょう。
視野角:8′ x 5’ ↑N

ACO 1367 = Abell 1367 = しし座銀河団です。Abellは惑星状星雲のカタログもあるので銀河団の名称はACOを使用した方が良いです。M66とM96を含む銀河群は、Leo I銀河群という通称で呼ばれる場合がありますが、小さな銀河グループです。混同を避けるためM66グループ、M96グループと呼んだ方が良いです。Leo II銀河群も同様で、NGC 3607グループです。Leo I は、局部銀河群に所属する矮小銀河の名称で銀河群ではありません。Leo IIも同様、局部銀河群に所属する矮小銀河の名称です。Leo IIIも局部銀河群に所属する矮小銀河の名称ですが、別名Leo Aと呼ばれることが多いです。しし座の銀河団、銀河群、矮小銀河の名称はややこしい!

しし座 臀部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), ASNフィルター、Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2021/03/14, -3.0℃, 東御市・観測所 ↑N

チャートは12.4等以上の銀河をマークしています。そのため「しし座銀河団」はマークされていません。93番星の南西約1°の位置にあります。

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