M 78(NGC 2068, 2064, 2067, 2071・反射星雲・オリオン座)


視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
M78(NGC 2068・散光星雲)付近
NGC 2112(散開星団), 光度:9.1 mag, 直径:18′, 分類:II3m
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II
ISO3200, 90s x 7, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2017/01/25 -7℃ 東御市・観測所

M78星雲は、M42, M43星雲を中心とする大きなオリオン座分子雲の一部である LDN 1630という分子雲に含まれ地球から約1600光年の位置にあります。広角カメラで撮影すると、同じオリオン座分子雲の最外殻を構成するバーナードループとの位置関係と電離星雲と反射星雲の色の対比がよくわかります。その赤いバーナードループに埋もれるようにある散開星団NGC 2112(画面左端)は距離2800光年の位置にあり誕生後20億年ほど経過した古い星団で、周囲のオリオン座分子雲とは無縁の存在です。


視野角:80′ x 50’↑N
M78(NGC 2068・反射星雲), 光度:8.0 mag, 直径:8′ x 6′, 分類:R
NGC 2064(反射星雲), 光度:— mag, 直径:10′, 分類:R
NGC 2067(反射星雲), 光度:— mag, 直径:8′ x 6′, 分類:R
NGC 2071(反射星雲), 光度:8.0 mag, 直径:7′ x 5′, 分類:R

BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3,  HEUIB-II, Sony α7s(新改造)フルサイズ
ISO12800, 30s x 16, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2017/01/25 -7℃ 東御市・観測所

M78(NGC 2068)の周囲には同じ分子雲を元とする反射星雲、NGC 2064, NGC 2067, NGC 2071があります。M78は若いB型スペクトルの10等星HD 38563AとHDE 38563Bの光を反射して光る星間ダストの雲で、周辺及びその中にT-Tau型の不規則変光星が45個発見されています、さらに赤外線の観測では約7分角の領域に低質量の生まれたての星が192個あることがわかりました。また、M78の周囲では生まれたての星が噴出する流出物と周囲の分子雲との干渉痕であるハービッグ・ハロー天体も17個確認されています。(参照:http://messier.seds.org)

McNeil’s Nebula(マクニールの星雲)



ジュリアン
W. マクニールは、2004年にM78の近傍に新しい星雲があることを、過去の撮影画像と比較して発見、新しい星雲として報告しました。しかし、その後この星雲は彼が調査しなかった過去の画像に明瞭に写っているものがあることが判明し、彼の撮影した3ヶ月前の画像にはまったく写っていなかったことから可視光で急激な変光をする変光星雲であることがわかりました。星雲は南端の明るい恒星状の部分から吹き出ているように見え、この部分はV1647 Ori という変光星名がつけられました。その後、星雲は減光して見えなくなりましたが2009年にV1647 Oriが再び増光し、星雲もはっきり認められるようになりました。手元の2016年の画像と2017年の画像を比較すると、星雲の明るい部分が明瞭ではなくなり全体にぼんやりしてきたように見えます。再び減光に転じているとすると来年(2018年)には見えなくなるかも知れません。

 

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