M78(反射星雲 NGC2068 + NGC2067) 8′
BKP300 1500mm f5, MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造)フルサイズ, ISO12800, 30s x 20, TS-160JP, TemmaPC, α-SGRIII, 2016/02/07
RStack(ダーク処理)Lightroom 6.0(現像)SI6.5(フラット処理、コンポジット、デジタル現像)Photoshop CS3(色調調整)
デジカメの現像ソフトでノイズ処理能力がかなり違うことにいまさら気がつきました。Lightroomを使うと均一にむら無く消し込んでくれるのでコンポジット後に低輝度部分を持ち上げても画像が荒れず結果として星雲の淡い部分が出てくるようになりました。(追記:強くかけ過ぎると、赤の微細構造が消えます。)
*以下 2017年4月13日 追記
M 78(NGC 2068, 2064, 2067, 2071・反射星雲・オリオン座)
M78(NGC 2068・反射星雲)付近
NGC 2112(散開星団), 光度:9.1 mag, 直径:18′, 分類:II3m
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 7, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2017/01/25 -7℃ 東御市・観測所, 視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)
M78星雲は、M42, M43星雲を中心とする大きなオリオン座分子雲の一部である LDN 1630という分子雲に含まれ地球から約1600光年の位置にあります。広角カメラで撮影すると、同じオリオン座分子雲の最外殻を構成するバーナードルー プとの位置関係と電離星雲と反射星雲の色の対比がよくわかります。その赤いバーナードループに埋もれるようにある散開星団NGC 2112(画面左端)は距離2800光年の位置にあり誕生後20億年ほど経過した古い星団で、周囲のオリオン座分子雲とは無縁の存在です。
M78(NGC 2068・反射星雲), 光度:8.0 mag, 直径:8′ x 6′, 分類:R
NGC 2064(反射星雲), 光度:— mag, 直径:10′, 分類:R
NGC 2067(反射星雲), 光度:— mag, 直径:8′ x 6′, 分類:R
NGC 2071(反射星雲), 光度:8.0 mag, 直径:7′ x 5′, 分類:R
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造)フルサイズ, ISO12800, 30s x 16, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2017/01/25 -7℃ 東御市・観測所, 視野角:80′ x 50’↑N
M78(NGC 2068)の周囲には同じ分子雲を元とする反射星雲、NGC 2064, NGC 2067, NGC 2071があります。M78は若いB型スペクトルの10等星HD 38563AとHDE 38563Bの光を反射して光る星間ダストの雲で、周辺及びその中にT-Tau型の不規則変光星が45個発見されています、さらに赤外線の観測では約7分 角の領域に低質量の生まれたての星が192個あることがわかりました。また、M78の周囲では生まれたての星が噴出する流出物と周囲の分子雲との干渉痕で あるハービッグ・ハロー天体も17個確認されています。(参照:http://messier.seds.org)
McNeil’s Nebula(マクニールの星雲)
ジュリアン W. マ クニールは、2004年にM78の近傍に新しい星雲があることを、過去の撮影画像と比較して発見、新しい星雲として報告しました。しかし、その後この星雲 は彼が調査しなかった過去の画像に明瞭に写っているものがあることが判明し、彼の撮影した3ヶ月前の画像にはまったく写っていなかったことから可視光で急 激な変光をする変光星雲であることがわかりました。星雲は南端の明るい恒星状の部分から吹き出ているように見え、この部分はV1647 Ori という変光星名がつけられました。その後、星雲は減光して見えなくなりましたが2009年にV1647 Oriが再び増光し、星雲もはっきり認められるようになりました。手元の2016年の画像と2017年の画像を比較すると、星雲の明るい部分が明瞭ではな くなり全体にぼんやりしてきたように見えます。再び減光に転じているとすると来年(2018年)には見えなくなるかも知れません。
*以下 2018/11/19 追記
消失したマックニールの星雲(McNeil’s Nebula) ・M78星雲 2018/11/15
McNeil’s Nebula の変化
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 16-45, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 東御市・観測所
2004年に発見されたマックニールの星雲は可視光で急 激な変光をする変光星雲です。2018年11月15日に撮影した画像で確認したところ、M78星雲の直下にある星雲は大きく減光してほとんど確認できない状態になっていました。
年度別の画像を上にまとめておきます、2017年2月に輪郭がはっきりしなくなってきたので、17-18年ごろに消えるだろうと予想。しかし昨シーズンは消失すること無く、今年急減光したようです。およそ十年ごとに消失、復光を繰り返しているように見え、たぶん、周囲の濃厚な星間塵(ダスト)が影響しているのでしょうが理由はまったくわかっていません。わずかな期間で恒星を覆い尽くすダストのメカニズムとはどのようなものなのか?興味深い対象です。
2020年追記:減光(増光)の理由について、誤解してました。普段可視光では見えない主系列前の恒星V1647 Oriの突発的な増光で、周囲のダストが照らされて見える星雲。増光の間隔は今のところまったく不規則で数年〜数十年の間。増光のメカニズムはV1647 Oriの降着円盤に関連するモデルがいくつか提唱されましたが、2008年以降、明るい期間が10年近く続き、いずれのモデルでも説明できませんでした。
M78(NGC 2068・反射星雲), 光度:8.0 mag, 直径:8′ x 6′, 分類:R
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(新改造), ISO12800, 30s x 45=22.5分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/11/15 +0℃, 東御市・観測所, 視野角: 77′ x 51′ ↑N
M78(NGC 2068・反射星雲), 光度:8.0 mag, 直径:8′ x 6′, 分類:R
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2018/11/15 +0℃, 東御市・観測所, 視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)